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おがさわらなるひこのオープンソースとかプログラミングとか印刷技術とか

おがさわらなるひこ @naru0ga が技術系で興味を持ったりなんだりしたことをたまーに書くブログです。最近はてなダイアリー放置しすぎて記事書くたびにはてな記法忘れるのではてなブログに移行しました。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
特に断りがない場合は、本ブログの筆者によるコンテンツは クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

openSolaris Night Seminar 2009.10.30

openSolaris ユーザーズグループ主催で行われる openSolaris 勉強会に比して、こちらは日本 Sun 公式で行われる Night Seminar
過去にはかなりの回数が行われており、やはり Sun 自体が行うイベントとあって注目度も高いようですが、私は openSolaris 界隈に出入りするようになったのが最近なので*1 それほど思い入れはなく、幹事役の原口さん (az openSolaris エバンジェリスト) が「一度リセットして新しい展開をやりたいんですよねー」とかおっしゃってたのでホイホイ遊びに行った次第。

結論

えー僕のブログは長すぎていつも自分でもポケットはてなで読めないで悲しいことになるので結論から先に述べます。

  • 「新しい展開として、新人に openSolaris を仕込んでそれを見守るっていうのをやりたいと思うんですよ」とは言っていたが、女の子とは聞いていませんでした!
    • 詳しい感想は各論で。初々しくてよろしゅうござんした。<おっさんくさい
    • その彼女らに明らかに答えられない技術的質問をぶつける KY なみなさん、少しは自重してください (^^;)
  • Solaris 10/09 の新機能紹介
    • 野崎さんのギャグ「11年目の新人なので……」が思いっきり滑っていたのは、本人が真面目な人柄なのでしょうがないでしょう。
    • このセッションにガンガン質問が飛んでたのはやっぱりみんな Solaris 10 仕事で使ってる人がほとんどなんだろうなーと。
  • openSolaris 三分間クッキング
    • 原口さんの好評のコーナー。今回は Crossbow で遊んでみよう。
    • デスクトップで Crossbow って何か使い道あんの、というのは前に ML でも飛んでた話題だと思うけど、ちょっとその答えに近いプレゼンかなっと感じた。
  • 懇親会
    • 部屋の片付け終わってダベってたら、おもむろに大曽根さんから紙が手渡される。ん? ぐるなびのマップじゃん。
    • 「10人で予約しときましたから」って手回しよすぎ!
    • ほとんどが明日の OSC 参加者ということでワラタ。


ではそれぞれの発表について簡単なまとめなどを。

新入社員の OpenSolaris 奮闘記 ~ Crossbow への道 序章 ~

コンピュータ経験ほとんどなしの新人社員に openSolaris っ子になってもらおうというこの企画。
スピーカーの名前公開していいのかどうかわかんないので名字だけ、吉田さんと末木さんの二人が openSolaris に挑戦した結果を報告してくださいました。

吉田さんパート: What's openSolaris
  • 吉田さんはいちおー、学生時代に Unix (詳細不明) を使ってたことがあるらしいです。シェルスクリプトとか書いてたとか言ってた。
  • 吉田さんパートは UNIX の歴史や派生 OS との比較などなどで、なぜ openSolaris か、というところまで。
  • ディストロと OS の概念が混同してるのはご愛嬌 (^^)。
  • NetBSD がサーバ用途ってホント? NetBSD ってヘンテコなハードウェアに移植するのが使用目的かと思ってた。
  • 各 OS (ディストロ) の特徴を Google サジェストで調査するという視点はなかなか面白い。
  • あと吉田さん基準で各 OS (ディストロ) を、日本語環境、インストールの容易さ、日本におけるコミュニティの充実度、という観点で比較してたけど、まあ、アレだね、うん、初々しいことはよいことだ (微妙な笑い)。
  • で、なぜ openSolaris なのかというと、
    • 「社員だからです!」とボケる前に自分で吹き出してしまうところがまだまだですな。<何を期待してるの
    • とっつきやすさと日本語環境、コミュニティ(つか openSolaris エバンジェリストな皆様とか) で、目指せ上級者! だそうです。
    • やっぱ ZONE と Crossbow。でもさっぱり分かりません。続きは次回以降のナイトセミナーで、とオジサンたちの心をわしづかみ(嘘
末木さんパート:openSolaris インストール記
  • 末木さんはコンピュータ自体ほとんど触ったことのない素人さんで入社したとのこと
  • しかしそんなことより、淡々と強烈なギャグをかますのがたまらん。面白すぎるよ君! 出身は吉本ですか?
    • 末「ここ読んで」吉「え、えっ」末「だからここ読んで」吉「……The Network is The Computer!!!」末「えー私のカタカナ英語より、吉田さんの素晴らしい発音の方が良いかと思い読んで貰いました」とか、マジで受けた。
  • 内容は至ってマトモなインストール手順。
Q&A (みんな空気読めよ)
Q
OS (ディストロ) 評価の採点基準は?
A
例えば日本語環境だったら LiveCD でいきなり日本語が使えるかとか、無償で ATOK がインストールできるので openSolaris に加点、など、基準はあるが基本的に主観。(吉田さん)
Q
大学時代 Unix をお使いになられていたとのことですが、それと openSolaris の印象の違いは?*2
A
大学時代はコマンドラインでちょっとシェルを書いただけだったので、GUI で便利だと思った。(吉田さん)
Q
私の環境だと openSolaris の検知するドライバが間違っているので毎回手動で入れ直しが発生するのだけれどなんとかならないか?*3
A
バグだと分かっているなら defect*4 に登録していただくのが一番。(satokaz さん)
Q
どのような研修を受けてきましたか?
A
ビジネスマナー、OS 一般論、Java などです。openSolaris については今回が初めてです。(お二人のどちらか:忘れちゃった)
Q
最小メモリが CD のパッケージには 512MB と書いてあるが、実際は 1GB ないとストップしてしまう。回避方法はないか。*5
A
ZFS root だとメモリを食うので確かに現状だと 512MB は無理だと思う。AI install という CUI インストールのモードだとうまく行くかも。(satokaz さん)
Q
パッケージマネージャ / IPS は Proxy を通せないのか?*6
A
環境変数 http_proxy を設定するか、GNOME のネットワークプロキシの設定を使えば可能。(原口さん)
Q
openSolaris はすばらしい、普及させたいとのプレゼンだったが、実際のマーケティングとしてはどういうことを考えているか。
A
Sun の高い技術を活かして、デスクトップ/サーバの両面に強い OS として強みを出していきたい。(吉田さん)
A
openSolaris を愛するすべての人の思いがこもったモノにしたい。(末木さん)
A
Sun は昔、Solaris が売れすぎたので「黙っていても買ってくれる」という感じで天狗になってたところがあった。初心に返って、まずは大学や開発者の声をよく聞いて、彼らに使いやすい物を目指していくべきではないかと思う。(原口さん)

Solaris 10 10/09 リリース新機能の紹介 by 野崎さん

前提として、Solarisエンタープライズ用なので製品サイクルが非常に長いのだけど、間にパッチというレベルじゃない機能拡張リリースがぽこぽこ出るそうな(そんなことも知らなかったのか俺は)。
なにせ同じ Solaris 10 でも初期のバージョンは CUPS 未対応だったのにあるリリースから対応したらしいので (聞いてないって!)。

んで、直近のリリースである 10/09 (テン・ナインと呼ぶらしい) のリリースについて野崎さんから。

「えー、11年目の新人です」ってギャグがいきなり滑っていましたがそれはまあいいとして。

  • 最大のポイントは ZFS root のサポート。概ね75%はコレ。
    • ただし (前述のとおり) ZFS root はメモリを食うので、システム要件のうちメモリ使用量が以下のようになる。
最小* 推奨*
ZFS root 768MB 1GB
UFS root 384MB 512MB
    • ZFS 自体のバージョンも V3 から V4 に。
  • あとは……きっと資料公開されるからそっち参照して。
Q&A
Q
なぜデフォルトは UFS のままなのか?
A
SolarisopenSolaris と違い過去のお客様の環境の互換性を重視するため。
Q
一般ユーザを作って運用してると X のスクリーンセーバにシンボリックリンクが張られないのでコケる問題、非常に簡単な話なのに何故治らないのか?
A
今回 ZFS root がらみでいっぱいいっぱいで、取り残した小ネタはたくさんある。*7
Q
05/09 からの update ができない。
A
ZFS が対応していない。UFS -> ZFS ができない。Live Upgrade なら大丈夫なのでそれで対応してほしい。新しいルートを作る (uupgrade) 方法もあるが新しく HDD が必要になる。
Q
ZFS の quota は ZONE ごとか、ZONE 内のユーザごとか?
A
ZONE 内ユーザの quota と言う概念自体がそもそもない。
Q
ZFS の pool サイズを変えたときはリブートは必要?
A
アンマウントして再マウントが必要なので、リブートレスで再マウントができるなら問題ない。逆に言えば root pool は必ず再起動が必要になる。
Q
quota をかけたままでアップデートするのは問題ないか?
A
問題ない。
Q
Solaris 11 はいつ出るのか?
A
現状ではコメントできない。ただし (内部的に) Solaris Next と呼んでいるものは openSolaris がベースになることは確定している。
Q
openSolaris にある Time Slider*8Solaris では使えるようにする予定はないか。
A
あの機能は ZFS だけでなく GNOME の .gvfs なども絡んでいるのと、そもそも AutoClone がないため Solaris 10 では実装できない。
Q
TimeSlider はバックアップ対象を Visible にしないといけないのが不都合だがなんとかならないのか?
A
技術的に不可能。
Q
ZFS の snapshot を遠隔地に送ってクローニングしたいが、差分だけ送るようなことはできないのか。
A
実体化した時点で Copy on write で実領域を取っていなかった部分も実体になってしまうので無理。
Q
L2ARC*9 で zpool に入れた SSD はデタッチできないのか?
A
openSolaris build 125 でできるようになっている。

質問すごい盛り上がりましたね。みんな Solaris の運用バリバリやってる人が来てるんだなぁ。

OpenSolaris 3分クッキング ☆レシピ 第14回☆ ネットブックで Crossbow/IPMP「切っても切れないネットブック編」by 原口さん

ナイトセミナー名物(らしい)、原口さんの3分クッキング。
エプロンまでしてなんだかうれしそうです。

これも詳しくは資料見てもらった方が早いんですが、

  • Crossbow で Wired LAN を全部束ねちゃう
    • 仮想的に一個の NIC
    • うっかり引っこ抜いたり、NIC 死んだりしても一個でも生きてる限りつながり続ける
      • 理屈では分かるにしてもこのデモはけっこう感動
    • しかも束ねた仮想 NIC はセッションで物理 NIC を占有できちゃったりするのでパフォーマンスも向上!
  • 残念ながら Wireless LAN は仲間入りできないのでIPマルチパス (IPMP) で束ねる

これはデモ見た方がいいです。OSC でもデモってたので知り合いに見せて自慢しました (詳しくは OSC のエントリで)。

ぶっちゃけ Crossbow って個人で使ってうれしいか? とずっと思ってたんだけど、ちょっと面白いカモ知れない、とこのデモで思いました。

Q
Crossbow の IPMP は Network の設定を Auto だと使えないと思うが?
A
その通り。でも Crossbow で結局似たようなことはできるのでユーザビリティはさほど変わらない。
Q
資料の dladm show-addr -x の結果の実 NICMac アドレスが全部同じなのだが?
A
多分バグだと思うので調査する。
Q
WiFi は仮想 NIC にできないのか?
A
できない。
Q
Crossbow の事例紹介のようなものはないか? ウリは?
A
NIC だけでなく、ネットワークの構成要素である Switch や Router がすべて仮想化されて中に入ってしまうことがウリ。新しすぎて事例がまだ揃っていないのでこれから。

総括

  • 女子新入社員二人組、神。女の子だからということだけじゃなくてキャラ立ってるし Q&A の受け答えも堂々としてるし。彼女らの成長過程を追うのを楽しみにしてます!
  • Q&A の活発さ (特に野崎さんのセッション) を見てると Solaris まだまだ健在だなと思った次第。選択肢が多い方が世の中楽しくなるはずだと思うので、Linux だけじゃなくて (open)Solaris ガンバレ!
  • ナイトセミナー始めて参加したけどすごくいいイベントだった。いろいろ難しい事情もあるかもしれないけどぜひ続けてほしいです。

ということで発表者の吉田さん、末木さん、野崎さん、原口さん、その他スタッフをされていたみなさん、主催のサン・マイクロシステムズさま、あと懇親会でお付き合いいただいた皆様に感謝して。

ではまたよろしくです!

*1:二回目にして静岡の合宿に行っているのは気のせいです。

*2:この質問オイラがしたんですが、原口さんがマイク渡しつつ「やさしくお願いね」と言っていたのはどういうことだ。ぷんすか。

*3:それをこの子たちに聞いてどうする(^^;)。

*4:openSolaris の Bug/Issue Tracker System

*5:だからそれをこの子たちに以下略。

*6:だから空気嫁とあれほど以下略。

*7:という話を聞くと Ubuntu の 100 Paper Cuts みたいな活動が上からの号令で動くというのはいいことだねぃ。

*8:ZFS の機能を使った定期バックアップ機能。

*9:ZFS で、read が早い SSD をキャッシュとして登録することでファイルシステムを高速化するしくみ