おがさわらなるひこのオープンソースとかプログラミングとか印刷技術とか

おがさわらなるひこ @naru0ga が技術系で興味を持ったりなんだりしたことをたまーに書くブログです。最近はてなダイアリー放置しすぎて記事書くたびにはてな記法忘れるのではてなブログに移行しました。

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GenesisLightningTalks #21 に参加してきた(その1)

お馴染み yoozoosato さんが主催されている LT オンリーのイベント、GenesisLightningTalks、略して GLT。
ここでいろんなすごい人と出会って、みんなどんどん世界を広げていって、まあ自分はちっともすごくならないので少しくジェラシーを感じつつもそこは才能の差なのでしょうがないとかそういう話はおいといて。
ここの LT はレベルが以上に高いので聞いても楽しいけど話しても楽しい。ということでたまたまネタ持ってたので一番に応募してスピーカーしてきました。

なぜか常連のように見られているけど、実はオラクルさんで定期的に開催するようになってから初めての発表。
いつのまにか知らない人がうんとこさと集まって、すごいイベントになったなあ、とあんぐり口を開けて感心。

このエントリでは私の発表について少々。

テーマ

GLT には毎回「お題」が設定されます。それは「こういうテーマで喋って」ということもあるし、「こういう制約のもとで喋って」というのもある。今回のお題は「非IT」ということで発表されて、あ、このネタ書こう、と思いついたんですね。

これ、実はブログに書こうと思ってたネタでした。
カーネル読書会 #100 のときにあるカーネルコミッターが言ってたんですよね。「日本人は自分が思っている以上に英語は喋れる。ただ喋らないだけだ」って。それがなんかガツーンと来て。


オイラは単純な反復練習とかヘドが出るほど嫌いなので、単語練習とかも超嫌いで、英語はいやでいやでしょうがなくて、大学は二次試験*1 に英語がない、という基準で選んだぐらいなので、英語は得意とか苦手とかじゃなくて、一種憎しみを持ってました。

修士2年のときにロシアでやった国際学会で発表したけど(あの論文、ホントに査読したのか? と今になると思う……)、がっちり原稿作って読み上げるだけで、Q&Aはまったく分からず同行した先生に答えてもらう始末。情けなや。
でもね、何だか知らないけど、お酒入るとなんとなく会話ができるようになるんですよ(笑)。んで、気づいたの。ああ、間違いを恥ずかしいと思う気持ちのタガが外れればいいんだって。言い間違いを恥ずかしいと思わなければいいし、聞き取れなかったらそれを恥ずかしがらずに聞き返せばいいんだなって。

そいで会社に入って数年経って、ちょっとお前シリコンバレー行って来いと。慌てて車の免許を取って(英会話の勉強をしろとは一言も言われなかった)向こう行って、オフィスでいろんな国のメンバーのなかに入って一緒に仕事することになって。
そのとき思ったのは、やっぱり頭のいい奴は、こっちの英語がむちゃくちゃでも何を言いたいか察してくれる*2。それから、オイラと話をしなければ仕事が進まないと思えば、必死にコミュニケーションを取ろうとしてくれる。俺もコミュニケーション取りたいから必死に頑張る。要は英語力よりも大事なのは人間力なんだ。それを痛感して。


それが、前述のカーネルコミッターの一言で走馬灯のように巡って。
そうなんだよ、間違いは恥じゃない。恥ずかしいという気持ちさえ捨てて、あなたと話したいんだ、そういう気持ちを全身で表せば、きっと通じる、ということを書きたかった訳です。もう書いてるけど。

ということで

プレゼン資料はこちらになりますです。
http://prezi.com/argrqiu5l2xj/

「英語しゃべろうぜ!」って LT。全部英語。

ここで自分に律したのは:

  • 辞書を引かないで資料を作る。
  • なんとなく喋ることは決めるけど、原稿は作らない。

ということ。あとで動画公開されると思うけど英語は発音、時制、単複などめちゃくちゃだし、スライドの文法もかなり間違ってるし、スペルミスもあるかもしんない。けどそれでもいいんだ、英語は通じるんだ、というのがメッセージだったので、あえて無茶苦茶なまま通しました。

でも時間配分に失敗して、

まずあなたの話し相手を愛そう。そしてあなたも愛されよう。
なぜなら、人は、相手のことが大事だと思えば、何をいおうとしているか一生懸命理解しようとするから。

という一番いいたかったことをちょっと飛ばしてしまったのが悔しい。

言い訳すると今日の会場配置だと LT タイマーが見にくくてねぇ……。
ちょっとあせってしまいました。

謝辞

いつもながらこのステキなイベントを主催してくださる yoozoosato さん、さすがの銀河一の司会者 georz さん、会場を提供してくださる日本オラクルさん (特に yokatsuki さん)、その他一緒に喋ったり笑ったり議論したりしたすべての皆さんに感謝!

次回予告

多分ビデオ配信が出たらそれを見て振り返り&皆さんの LT の感想、かな〜。



2009.11.08 追記

GLT のサイトに上がってた ust のログ見たら「インチキくさい英語」「スライド読んでるだけ」とネガティブなコメントがあって、あーみんなこれ見ながら俺の発表聞いてたんだなーと思ったら割と落ち込みました。
発表の冒頭でも「僕はあんまり英語上手くないから間違いがたくさんあるとおもう、ごめん」と謝ったとおり、自分の英語が達者じゃないことは承知していて、それでもあそこでオール英語のプレゼンをやることには意味がある、いや、下手な俺がやるからこそ意味がある、と思ってやったはずなのに、そんなことで落ち込む自分自身の弱さが嫌い。

とゆことで意識過剰と思いつつここで反応。スルー力が足りないというご意見は受け付けます。
多分ここで書いても発言された方にはとどかないと思いますが……でも上に書いたことの繰り返しではありますが普遍的なメッセージになるので書いておきます。

ー 私の英語が「インチキくさい」ことには賛同しますが、インチキくさい英語で会話したりメールしたりプレゼンしたりするのは、しないよりずっといいと私は思います。インチキくさかろうがデタラメだろうとコミュニケーションしないよりするほうがいいんだから、とにかくやろうぜ! というのが最大のメッセージなので、それが伝わらなかったとしたら残念です*3

  • スライドを読んでるだけ、について。
    • あんなデタラメ英語でさえ、LT という形で5分でぴしっとまとめろと言われたら、一瞬でも言いたいことがつまったらアウトなので、安全を期して「読むだけスライド」にしたのは確かです。
    • あと、私の英語は決して流暢ではないけど (ないから、かな?) ヒアリングできなくてメッセージが伝わらないことを恐れて、全部スライドに書いたというのもあります (国際会議で発表するならまた別のスライドの作り方をします)。
    • ただしそのスライドだって私が私の言いたいことを私が英語にしてるんですから、いいじゃん別に、とも思います。

- 最後に、これが一番いいたいことなんですけど、英語が苦手な人間が必死に発表してるのを嘲笑することになんの意義がありますか?

    • 「間違いは恥じゃない、恥じる気持ちを捨てろ」とアジってますが、私自身、自分の英語ダメなの知ってるし、英語ができる日本人の前で英語しゃべるの嫌ですよ。恥ずかしくて死にそう。「あーこの人絶対腹の中で笑ってるよなー」って思うもん。発表終わってからも手のふるえしばらく止まらなかったですから。でも意義があると思ったからやった。
    • 私はまぁいいですが、もし他の人がそういう思いで必死に英語で喋ってるところでそれを笑ったりしていらっしゃるのなら、即刻止めていただきたいです。恥じる気持ちが日本人を英語から遠ざけ、オープンソースのメインストリームの議論から遠ざけている。それを助長しているのは、英語ができない日本人を笑う日本人だ。と、私は思っています。
    • お願いですから、公の場で英語ができない日本人を嘲笑しないでください。それは非常に有害な行為です。あなたは精神的優位に立てて気持ちいいかもしれませんが、それで優秀で才能があって、でも英語がちょっと苦手、という人が世界から鎖国されてしまうのは全世界にとって損害です(私なんかは阻害されたって大して問題じゃないですが)。

*1:私は共通一次という過去の遺物の最後の世代です。

*2:一番最初に仲良くなったインド人のエンジニアには、ずいぶん英語から英語への通訳をしてもらいました (^^;)。

*3:とグチを書いたら、Twitter で「私には伝わりました」と何人からメッセージが。ありがとうございます。という半面、慰めてクレクレ君になってしまった自分の弱さに反省。