おがさわらなるひこのオープンソースとかプログラミングとか印刷技術とか

おがさわらなるひこ @naru0ga が技術系で興味を持ったりなんだりしたことをたまーに書くブログです。最近はてなダイアリー放置しすぎて記事書くたびにはてな記法忘れるのではてなブログに移行しました。

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2011年を振り返ってみたりするよ

似たようなエントリーはたくさん立ってるし、別に私の一年とかどーでもいいんだけどね。個人的記録として。

震災とか

についてはなんか言葉にすると空疎になっちゃうので細かく書くのはやめとこう。かいつまんで。

  • 現場を見に行ったのはよかったなーとは思う。見ただけだけど。いろいろお話ししてくださった塩釜のお寿司屋さんの大将と、最後に見た松島の夕焼けに感謝。
  • こういう状況のなかで技術がなんの役に立つのかって問いに対していろんな思いがぐるぐるしたけど、すごい頑張ってる人をいっぱい見たので、それについては本当に頭が下がります。
  • プリンタ屋のはしくれとして、紙がなによりも必要とされてる状況で「その状況とはなにか」ってことを掴みに行く必要があるんじゃないか、物的支援とか大口の顧客の声を聞くんじゃなくて、そこから一歩踏み出して現場を見に行けば真のお役立ちを考えることができるだろうし、意地汚い話だけど新興国とかのビジネスにもつながっていくんじゃないの? みたいな話をがんばってして、興味を持ってくれた人は何人かいらっしゃったんだけど、やっぱり下っ端一人じゃ会社を動かすのは難しいね。自分の無力さに悔しい思いをしました。
  • ネット経由で主に原発関係でいろんな意見をみました。両親とも東北人で福島にも知り合いがおり東電職員に知人がいる私はとてもモニョモニョしたんですけど、なんというか、科学のフリをしてプロパガンダのためにデタラメを吹聴するのだけは止めてほしいなって思いました。あと工学屋の一人としてリスク管理というのはどうあるべきかってことをすごく考えました。
  • 普通であることって大事だよねーとか。

……どうも重たいな。次行こ、次。

イベントなど

何度か表明してるんだけど「勉強会」ってものに疲れてしまったというのはあります。

疲れたっていうのは、出会いとか知識を得るのは楽しいんだけど、数行きすぎてどれもモノになってないっていう自分に対する残念さというのがものすごくありますね。そもそも「勉強」してないじゃなんかというか。まぁ、それは大学の授業だってそうで、「へーこんなのあるんだ面白そー」って思ってから、実際に自分で地道に勉強しなきゃダメなんだよねーと。で、そういう地道さはもう私にはないのよねーというか。

とゆーことでイベント参加数をばっさり削ったけど、まぁちょぼちょぼ行ってはいるので、印象に残ったものなどちょっとずつ。

Squeak Smalltalk 探検会

私が特にお気に入りにしている「勉強会」は Smalltalk 勉強会なんですけど、やっぱり手を動かしてないから身につかない。じゃあ黙々と一人で頑張るかというと、そもそも創造性が欠如してる自分は「何を作るか」「それに手持ちの知識からどう近づけばいいか」ってのがどーも思いつかない。となるとテキストに沿ってやったほうがいいよな、ということで

Squeak by Example

Squeak by Example

(の PDF 版) を一から読もう。でもそれだと挫折する。じゃあ人を巻き込んでしまえばいい、ってのが発想の源なのでした。

もう一つ動機があって、私はホビープログラミングの楽しさってのを再発見したかったし、一部の人にそれを訴えたかったのですね。別に職業的プログラマだけがプログラミングをしてはいけないわけじゃないし、むしろアマチュアが創造性を発揮するためのプログラミングってもっと強調されてもいいじゃん? というと、そのための環境の一つが Smalltalk (特に Squeak 系列) なのでした。開発環境の強力さ、とりあえず Morph をぐりぐりいじる楽しさ、そーゆー「楽しい!」って気持ちを「共有」したいなって。

つまり「勉強しようよ」というより「みんなで楽しもうよ」「楽しいって言い合える仲間になろうよ」っていう会。それには学習効率をあげることより、ワイガヤで一体になって知らない世界を探求するイベントにしたいなってことで「探検会」を名乗っているわけなんですよ。ハイ。

結構理想通りに動いているので嬉しいけど(人数もちょうどいい感じ)、1年やってテキストの1/3しか終わってないというスピードがヤバイ感じ……来年の課題はペースアップです(^^;

Postscript ハンズオン

これは Adobe の通称「青本」:

ページ記述言語 PostScriptチュートリアル&クックブック (ASCII電子出版シリーズ)

ページ記述言語 PostScriptチュートリアル&クックブック (ASCII電子出版シリーズ)

チュートリアル部分で上の Squeak 探検会と同じようなことをやろうと思ったんですが、参加者として集まってくれた人たちが主に関数型言語に通じた凄い人達ばっかりで、これはダラダラチュートリアルやるのだけではもったいないなーと思ったところでアイディアが枯渇して止まっております。どうにかして続きをやりたいのだけど、どういうやり方がいいかなーと悩み中です。

上野翻訳Cafe

これも自分で始めたもの。イベント紹介ページ見てもらったほうが早いす。

こういう場所を定期的に設けることでなにか起きるといいな、と思い、のんびりやるつもりです。

法務系 LT

主に企業の法務担当者が集まる LT イベントってことでwktkして行ってきました。全然違う世界から見るとすげー面白かった! 飛び入りで LT させてもらったりしたけど、内容グダグダだった割には好意的に受け止めてもらえたのでうれしかったです。このイベントは参加した中では今年一番かもしれない。

って、日記書いたつもりなのに公開してないし下書きにも残っていないのは何故? しくしく。年が開けたら書きますよ。

OSSC 会津

オープンソースカンファレンスの事務局が主催した、「もっとちっちゃな OSC」。今年初めて開催。

OSC は割と大きくなりすぎたところがあるので、こういうこじんまりとしたイベントはよろしいですねー。とても楽しかったです。懇親会会場の籠太も素晴らしいお店でしたよ! またいきたいなー。

Ubuntu Kansai 2011.03

震災直後、煮詰まっちゃった気持ちをなんとかすべく参加してきました。関東のイベントとは違ったカラーがあって、これで地方イベント面白いかなって思ったというのはある。

各地の OSC

今まで OSC は東京しか参加したことなかったんですが、今年は神戸・仙台・京都・名古屋と参加してきました。ローカル色がいろいろあってこれはこれで楽しいですね。

けど私にとって OSC は「知り合いとダベりに行く場所」になっちゃったので、居つく場所がないといろいろつらいかも。来年はブースの手伝いとかしてみようかな。CUPS 系印刷システムについて語った薄い本を書いたらいいとか一部で声が出てますが……ニーズあるのかぁ??

書いたりなんだり

日経 Linux さんに非実在的知り合いの「紙刷彦」先生が半年の連載を持ってまして、

日経 Linux (リナックス) 2012年 01月号 [雑誌]

日経 Linux (リナックス) 2012年 01月号 [雑誌]

で完結しました。Linux 印刷技術で半年引っ張るの超無理ゲーな感じしましたけど、まぁ無事終わってよかったです。

それから:

と:
Ubuntu Magazine Japan vol.06 (アスキームック)

Ubuntu Magazine Japan vol.06 (アスキームック)

にもちょっとだけ書かせて頂きました。私は印刷のことぐらいしかマトモに書けることないんで、そうそう沢山の媒体に書くことはなかろうと思いますが、今後も機会があれば Linux 印刷のよりよい未来のために(←大げさ)ちょこちょこ書いていきたいなーと思ってます。

あとは翻訳プロジェクトとして、前からやっている openSUSE Weekly News に加え、今年からLibreOfficeの UI 翻訳をぼちぼちとやってます。って、あんまり働けてないので恐縮ですが……。もう一つ前述の Squeak By Example の姉妹品、Pharo By Example の翻訳チームにもいるんですが、最近モチベーション大幅低下で完全に停滞してます。来年は気合い入れなきゃなー。

川とか山とか

人生初のニュージーランド旅行を今年の頭にしましたっけ。ちょうど一回目の地震(2010/12/23)がクライストチャーチであったばかりで思うところはありましたが、その後日本であんなことになるとはなー。まあいい。

すっげー良かったですニュージーランド、ロトルア地区。カイツナ川で7mの滝落ちにチャレンジして無事成功! いやー行ってよかった。もう一本ぜんぜん別の川にいけたのもよかったです。うへへ。もっと上手くなったらまた行きたいなー。

夏休みの関西への川旅も、台風直後でいろいろ憚られましたが、基本的にはとても楽しかったです。

でもそれ以外は基本低調でしたねー。雪山はぜんぜん行けなかったし(春のツアー軒並み中止になっちゃったし)川も月イチを割り込んだしなー。来年はもっと漕ぎたいし滑りたいです。

離職と大企業とソフトウェアエンジニア(と、再就職)

この話題はもういいような気もするけど、やっぱり大きなイベントでしたからねー。

16年と半年勤めた会社を、自分の意志だけじゃなくて離れることになるってのは、まぁいろいろ考えることがありました。

それについては前にも書いたのでここでは繰り返さないけど、すごくうれしかったのはこれを期に10年ぐらい前に1年だけ北米で一緒に仕事した仲間がすぐにソーシャルメディアでメッセージくれたことですかね。もう何年も会ってないし、仕事もぜんぜん縁がないのに私のこと覚えててくれて、「お前と仕事できなくなるのは寂しいけど、頑張れよ! また会おうぜ!」って言ってくれるというのはうれしいよね。

離職してどうよ?

で、離職してよかったと思えるのが7割、残念だという思いが3割ぐらいかな。

よかったというのは、私自身がソフトウェアを書くより、もっと元気で優秀な人が書いたソフトウェアを使って、自分が媒介となって誰かの問題を解決する、そういう仕事がしたいなって思ってたけど、やっぱり前職だといろいろしがらみとかあったしそれは難しかった。そういうことを長らく思ってた中で背中を押された形になったわけで、まぁ基本的に優柔不断な私にはいいことだったんだなって思ってるわけです。

残念っていうのは、ここでもTwitterでも何度か書いてきましたが、メーカー系大企業とソフトウェアエンジニアの幸せな関係とはどういうものかっていうことがここ2〜3年の強い関心事だったし、そういう活動ってやっぱり中にいないとやりにくいじゃないすか。ので、人脈とかなんとか色々活用してやっと社内でパイプができてきたから、あと1年ぐらい経てば面白いこともできるようになるかもってところだったので、力及ばず……でした。

どうでもいいけど、一部でちょっと評価いただいた「将来価値を毀損する自由」なエントリを書いたときには私はすでに離職が決まっていたので(7月第2週ぐらいには確定してた)、「大企業側にいるから大企業擁護してる」とか近視眼的な捉え方をして欲しくないなーとは思ったりした。だからあの時期にあのエントリを書いたんだけどね。

まぁまだ前職のときの仕事仲間とかはいるわけなので、そういう人たちと協力して面白いことができたらええなーとは思っておりまする。

次どうするの?

さて、じゃあ次はなにするのかっていうと、今はプリセールスとサポートエンジニアという二つの路線で仕事探してます。探してるって大して真面目に探してるようには見えないかもしれないけど……。

全然違うスタンスの仕事ですけど、私にとっては「技術を媒介としてお客様の課題を解決する」という意味では同じなのですね。売る前か、売った後かの違いはあるけれども。なおかつ BtoC だと一対多の関係で一人一人のお客様は統計とかトレンドに埋没してしまうから、できれば BtoB でやりたいなと。FLOSS が絡んでればもっと嬉しいけど、やっぱり自分はデスクトップ屋・エンドユーザーコンピューティング畑の人間だから、そういう分野で FLOSS ってのはちょっと厳しいわけで。ええ。

そういう意味でWeb系はすごく元気で面白いことをやってるけど、私が住む世界とは違うよなって思ってます。多分向こうの人もそう思っているでしょうけれども。

時々「起業とか考えないの?」っていわれるけど、私は「自分がコレしたい」ってあんまりないんですよねー。ある困った問題、状況があって初めて頭が働くの。創造性が欠如してるというか。といって、腕一本で食べていける技術力があるかっていうとそんなわけじゃない。そういう人間は起業してもしょうがないんじゃないかって思うのよね。失業保険切れてまで就職が決まらなかったら、肩書きほしさに個人事業主登録とかするかもしれませんがw

40にして全然違う仕事するわけだからそう簡単にいくとは思ってないけど、色々勉強しながらやっていきますわー。

まぁそんなわけで

今年は様々な方に大変お世話になりました!

来年もよろしゅーに、です!