おがさわらなるひこのオープンソースとかプログラミングとか印刷技術とか

おがさわらなるひこ @naru0ga が技術系で興味を持ったりなんだりしたことをたまーに書くブログです。最近はてなダイアリー放置しすぎて記事書くたびにはてな記法忘れるのではてなブログに移行しました。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
特に断りがない場合は、本ブログの筆者によるコンテンツは クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

続・フリーなオフィススィートを翻訳すること

この記事は、Docja Advent Calendar 2013の三日目にして、初日の記事 d:id:naruoga:20131201:1385838237 の続きというか補足です。

あの記事、本人まったく書いた記憶がなくて、多分ものすごく眠い中なんとかして書かなきゃって思って脳から直接文章をダンプしたらよく意味がわからない内容になっちゃったというものだと思われます。オッサンが無理をするとろくなことないすな。

多分いいたかったこと

  • オフィススィートは広範囲に専門的な知識がないと定訳すらわからないので翻訳はかなり辛い
  • 本当はバリバリ使っている人が翻訳に関わってくれることが望ましい
    • が、現在できている気がしないので、さてどうしたものか
    • エンドユーザーとコミュニティの乖離があるのは否定出来ないんじゃないか
  • 間違った翻訳が放置されてしまうのは、「間違っていてもなんとなく分かってしまう」人間のパターンマッチング能力の高さによるもの
    • だから、「間違っていたら教えてくれるだけでいいんだよ」というのは、実は結構意識しないと難しいのかも
  • 英会話学校がどうのってのは何が言いたかったのかなあ。「翻訳することそのものにインセンティブがある人達とコラボできないか」って話をしたかったのかなあ。<他人
  • プライベートでやってる人間が義務感を持ってしまうと、バーンナウトする可能性を高めるんじゃないかってのは思ってて、じゃあ義務感じゃない続けるインセンティブってのはどこにあるのか。
  • それを「どうしようもないやんか」と放り出してどうするねん、自分(^^;

さて、本当に「どうしようもない」のか?

個人的には、LibreOffice Advent Calendarでおしえさんが書いてくれた「ちょっと誇らしい気持ち」をキープし続けることができたら、それが一番素晴らしいと思うのです。「あ、自分が訳した/提案したUIがここにあるんだ」って思えること。その嬉しさを噛みしめること。

一個でも、ホントに一個でもそういう体験をしてもらえば、それがどれだけ嬉しいことなのか、わかるような気がするんです。でも、その一歩はどうやって踏み出してもらえばいいのか。

技術的な敷居があることは否定しないです。LibreOfficePootle というシステムを利用しているのですが、このシステムの説明は翻訳されていないし、議論はメーリングリストで行うことになっていますが、ML というのがもしかしたら今の若い人たち向けのメディアではないのかもしれない、とは思います。

けれども、敷居を下げて来ないと入ってこない人は、やっぱりそれなりの活動しかしてくれないんじゃないか、って考えもありますしね(それはある意味真理かなとも思ってます)。間口を広げることがそんなによいことだらけかというと微妙。あ、これは別にオフィススィートに限ったことではないか。

いずれにせよ、オフィススィートというものの性質上、理念とかはどうでもよくてタダ使えればいい、ってユーザーさんが多いことは多分間違いなくて、そういう人たちは決して悪気があるわけではなくて、単に「自分ができることがあるなんてことを知らない」のかもしれないです。そういう人たちに「いや、みなさんができることは沢山あるんですよ」って声をどう届ければいいのかな、まあこれは翻訳に限らないわけですが、それは考えなきゃいけないですねえ。

そういう思いが「エンドユーザーもコミュニティの一員であることを意識する」という言葉になるんですが、こういうこというと「事務の人にまで忠誠を誓わせるオープンソース教ウザい」とか揶揄されるわけで。そういうこと言いたいわけじゃないんですけどねえ。ふぅ。

LibreOffice ならではのお話

LibreOfficegettext を直接使っているわけではないので、翻訳を試しに突っ込んでみて結果を見てみる、ということができないんですよねえ。自前でビルドできるごく一部の人を除くと、翻訳が取り込まれるのは個々のマイルストーン(βとかRCとか)のタイミングしかない。なのであんまりギリギリに翻訳を突っ込めない(間違ったらそれきりになるので)。

しかしこれは逆に考えると、他の翻訳プロジェクトよりもずっと、「この翻訳はどこで使われているのか」「訳語はこれで妥当か」ということをじっくり議論する、密度の濃いプロジェクトだとも言えると思うのです。そういう議論がめんどくさいという人には向かないですが、チームとして議論がちゃんとできる土壌があるというのは、私は楽しいと思うんですよね。どんな議論があるかというのは、discuss@ja ML のアーカイブ見てもらえればいいと思います。

あんまりまとまってないまとめ

LibreOffice というどうしてもエンドユーザーとコミュニティが乖離しやすいソフトウェアを翻訳するということを、アレコレ考えてみました。初日で棚卸しして、今日で整理した感じかな。
なかなか難しいのは事実だけど、いずれにせよ「ちょっとの誇らしさ」を大事に、楽しく翻訳しましょう :)


明日は jmatsuzawa さんです。よろしくお願いします!