Open Source Conference 2009 Tokyo/Spring (Day 1)
すべてがすべて最高、完璧、とは言えないところもあったが、超面白かったのは間違いない。
まずは最初に、運営の皆様と、会期中にワタクシメとからんでくださった皆様に感謝の意を表します。
ありがとうございました!
まぁオープンソース最大の祭典でありますのでここを読んでる人には今更書くまでもありませんが、公式URLはこちら。
2/20 2nd Track 「Linux Printing 標準化の現状と将来」
本当は初日2/20金曜日は、日本 Linux 協会さんから依頼を受けて OpenPrinting Japan を代表して印刷のお話をするということになっていたのですが諸般の事情でダメになって、OpenPrinting Japan でご一緒させていただいており、PDF Print Path の実装者である (株)BBR 大谷さんにピンチヒッターをお願いした次第でございます*1。
ので客席でちゃちゃを入れる&盛り上げ役として参加して参りました。
内容については私が過去にやった発表をもっと技術的に厳密にした感じです。
なにせ大谷さんは PDF Print Path に世界一詳しい人ですから。
ので、後日資料はどこかで公開されると思うので、それをご覧いただければいいと思うのですが、それでも一応私視点で補足しておきます。
OpenPrinting の意義
- (Desktop) Linux の印刷環境って色々イケてないよね。
- なんとかしよう! という団体が OpenPrinting
- The Linux Foundation (TLF) の下部組織
- 活動内容はディストリビューションに対する標準 LSB
- 2008年に 3.2 が出て Printing について取り込まれた
- OpenPrinting の標準化は CUPS + Foomatic + GS が柱
プリンタドライバと OPVP
- 伝統的に Linux で「印刷」というと PS を吐くことだった
- けど PS を食えないプリンタは?→Ghostscript
- しかし今は違う!
- OPVP とは
- あ、UI もあるね。
- UI は PPD (Adobe の仕様+CUPS の拡張仕様) で記述するだけ
- どう表示するかはアプリやユーティリティまかせ
- 作るのかんたんだけど、凝った機能はどうやっても実装できないのよ。
GS CJK パッチ苦難の歴史
- 一部の人にしか知られてないかもだけど、今の GS ってまともに日本語が扱えない
- なんでそんなことになるのか?
PDF Print Path / Common Printing Dialog
- このペースで書いてると終わらなくなるので省略。
- PDF Print Path は大谷さんが専門家なので資料見てください(手抜き)。
- CPD は過去にオイラが話した内容と大して変わりません。深刻な人手不足もそのまんま。
ついに *nix 印刷についての窓口開設!
大事なことなので強調。
「Linux の印刷について分からないことがある」
「Linux の印刷について提案がある」
「Linux の印刷についてなんかやってみたい」
という人は、
opfc-user@lists.sourceforge.jp
という ML に参加してガンガンポストしてください!!!!
Q&A
ここでタイムアップ
休憩時間ぐらい場所使えるのかと思ってたら、会場側の都合で時間終了と同時に外に叩き出されてしまった。ちぇ*10。
ので、廊下で二人ぐらいの聴衆の方とお話してみた。
お一人は職場で Desktop Linux の導入を推進したいのだけど、印刷がネックになってしまうという方。
さすがにここでベンダの人間としては発言できないので、Windows を一枚かます手、PS プリンタなら CUPS の Generic PS が使えますよ、という話、いっそのこと出入りの SIer に Linux で印刷できるようになんとかしろとねじ込むと、作り手側は外圧に弱いのでやりやすい*11などというお話をした。
もうお一人は二つ目の質問をされたかた。
Desktop Linux というより帳票アプリのお仕事をされているのだそうで。
今は OpenPrinting は Desktop Printing 中心なのだけど、そして帳票とかの世界だと、ベンダとアライアンスを組んで情報公開してもらってそれで周辺機を動かすってやり方になるんだけど、帳票の世界ってのもけっこう日本ローカルな事情がいろいろあって、それを OpenPrinting 的にソリューションを作って世界に提案するってのも面白いなあ、一度話をじっくり聞かせていただきたいなぁ、そんな話をいたしましたです。
そのあとラーメン食って大急ぎで帰社し、この日はおしまい。
講師の大谷さん、Linux 協会の松室さま、おつかれさまでした。
*1:ここ、長々説明がありましたが、OSC と全然関係ないのでばっさりカット。
*2:HP のプリンタ記述言語 PCL XL 用のデバイスドライバ。これは特別に残された。ずるくね? とはいえレーザープリンタ単体機の世界シェアの8割を持っている HP には誰も逆らえないのである。海外で売っているレーザープリンタはだいたい PCL XL 互換言語を載せているのである。
*3:一度ビットマップにしちゃう形式のこと。
*4:線は線、塗りつぶしは塗りつぶし、文字は文字として扱う形式のこと。
*5:Device Driver Interface
*6:個人的にはプリンタドライバぐらいオープンにすりゃーいいのにって思うけどさ。
*7:まあようはライセンスというものにどう向き合うかって話なので、User Experience として問題が起きないからといって Fedora がいいというわけでもないっす。
*8:ただし、CUPS Rasterベースのドライバは別なんだけど、そこまでは質疑応答としては複雑過ぎて答えなかった。つかこの質問には私が答えてたりします。
*9:両面とかステープルとかパンチとか
*10:ここらへんがややがっかりポイント。
*11:酷いけどホントの話。
Open Source Conference 2009 Tokyo/Spring (Day 2)
2/21 1st Track 「OSS開発者のための英語学習の進め方」
スピーカーはゲーム開発者かつ XOOPS Cube メンテナの minahito さん*1で、minahito さんは英語は鋭意勉強中とのことで、アドバイザとして LYE さん。
タイトルのとおりの内容。
きっかけはゲーム開発者向けのカンファレンス「CEDEC 2008」にて行われた「ゲーム開発者のための英語学習の進め方」というトラックが非常に面白かったので、ぜひ同じような内容でやってみたいと。
そのモチベーションとフットワークは素晴らしいです。
内容も非常に面白かった!(Interesting / Fun どっちもの意味で)
前提
- OSS 開発者が英語を使うというとほとんどが読み書き
- ドキュメント読んだりとか
- 海外の ML で議論したりとか
- でも実際、大抵の日本人の開発者は読み書きのレベルは高い!
- Excite 翻訳と高校レベルの英語力さえあれば、十分実用になる力はみな持っているはず
- 問題は英語に対する恐怖心
- これはコミュニケーションを行うことで拭える可能性が高い
- ので英会話も勉強しましょう
- 大事なことは継続
- そのためには以下のこと重要
- レベルがあってること (簡単過ぎると飽きるし、難しすぎると投げ出す)
- 教材自体が面白いこと
Part 1. VOCAB (語彙力)
- English of The Dead
ゾンビ式 英語力蘇生術 ENGLISH OF THE DEAD
- 出版社/メーカー: セガ
- 発売日: 2008/05/29
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- 見ての通り Nintendo DS のゲーム
- ぶっちゃけ言えば Typing of The Dead の和文英訳版
- ゲームなので楽しさは当然なので続けやすい
- ただし出題は体系だっているわけではないのでクイズ的
- そんなことより ToTD のエンジンを NDS に移植する男気に惚れろ!
LISTENING
- iKnow!
- これは素晴らしい。
- 教材も充実してる
- SNS 機能もあるので仲間と一緒にお勉強できる
- 進捗度が目に見えるのも素敵
- 発達心理学というか人間の学習理論に基づいて作られている
- 早速私も始めました (id はここと同じです)。
- 出版社/メーカー: 未来少年
- 発売日: 2008/07/31
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- 幼なじみ♀が東大受験するっていうんで自分も受けるというバカ主人公♂
- しかし実力がないので神に祈ったら英語を勉強しろって天使が遣わされてきた
- 三人の天使 (むろんロリ) と一緒に英語を勉強しよう!
- ……ごめん俺には無理。聞いてるだけで頭痛くなってきた。
- でもかなり出来はいいらしいです。受験英語対象だけど一般の英語学習にもいい感じ。萌えに抵抗がない向きにはオススメ。
- ゲーム
- 洋画を英語字幕で見る、というのと同じ
- ただゲームの方が面白いっしょ?
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- オススメタイトル1:メタルギア1、2
- 最近のゲーム事情には疎いんだが無印?ソリッド?
- とにかく英語モードにすると途中の会話が全部英語 (字幕付き) になる
- アクションシーンとかではないのでじっくり聞けてよい
- ただし会話中のキーワードがゲームで意味を持つことがあるのでわかんないからって飛ばすと泣けるぜ
- 小島カントクの難解なストーリーを英語で追うのはきついってのも欠点
- オススメタイトル1:メタルギア1、2
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- オススメタイトル2:エースコンバット
エースコンバット6 解放への戦火 Xbox 360 プラチナコレクション
- 出版社/メーカー: ナムコ
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- これも設定で英語音声が選べる
- 最新作「6」だと英語字幕も選べてなおよい
- しかし無線っぽくノイジーなのでやや聞き取りづらい
- しかも「指示をくれ!」とか戦闘中に言われるのでドキバク
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- オススメタイトル3:Final Fantasy International
- 出版社/メーカー: スクウェア
- 発売日: 2002/01/31
- メディア: Video Game
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- これはいい! 一押し!
- 特に「X」がオススメ
- 英語モードに切り替えるとメニューから何から完全に英語版になる
- しかも登場人物の会話は非常に簡単! 語彙力がなくても十分聞き取れる
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SPEAKING
- iはつおん*2
- iPhone のアプリ (録音機能があるので iPod Touch だとだめっぽい)
- たった 300 円。格安。
- 発音記号に対応する口/舌の形を表示して、なおかつ音声再生してくれる
- 自分の声を録音して聴き比べも可能
- 日本人の不得意な L と R とか練習し放題
- LYE さん曰く、「キーは母音より子音。母音がめちゃくちゃでも子音がちゃんとしてれば通じる。逆はまず通じない」*3
2/21 2nd Track 「小江戸らぐの活動紹介」
地域 Linux Users Group (LUG) としてゆるーく行われている小江戸らぐ。カーネル読書会の YLUGと並び首都圏で活動している LUG として有名ですが、代表のはとちゃん*5 を初めとして醸し出されるゆるい雰囲気は前からなんとなくいい感じで気になっておりました。ので、参加してみたというわけ。
四人いるはずのスピーカーが一人遅刻して減ってしまったのに時間超過するところがおかしい。
代表はとちゃんによる小江戸らぐ概略
しまださんによる Simutrans 紹介
- Simutrans はドイツ発の鉄道シミュレーションソフトウェア
- 要は OpenSource の A 列車といえば話が早い
- 日本語化プロジェクトもあるよ。
- Debian Lenny なら apt-get install simutrans で一発
- 調べてみたら Ubuntu でもパッケージ化されてる。
- とりあえず OSS なだけにみんなデータ作りまくって大変なことに
- けどバランスはぶっ壊れてるので黒字にするのは一苦労。赤字になってもオッケーなオプションをつけて鉄道模型として遊ぶのが吉
- しまださんのマップがすげーの一言。
「これ一人で作ったの?」
「でもマウスでぽちぽちするだけだから簡単ですよ」
「でも時間かかったんじゃないですか?」
「んー、1年ぐらいですかねえ」
(……人はそれを簡単とは言わない……)
- はとちゃんがやんわり巻きを入れてるのにまったく空気を読まずに一生懸命設定しているしまださんカッコヨス。
神作さんの小江戸らぐ活用話
- 神作さんは中学の先生
- 今の中学は技術家庭科とかいわない
- 男女で同じカリキュラムじゃないとダメ
- 情報教育に SLAX-ja を活用
- CD 突っ込むだけで動くのでラクラク
- 生徒が持って帰って家のパソコンでも使える
- ちなみに中学生ぐらいだと女の子の方が頭が良くてキーボードの操作とかあっという間に覚えるけど、ファイルという概念は野郎の方が取っつきがいいらしい。RPG のセーブからの類推みたい。
- SLAX-ja でデスクトップはいいけど、次はサーバ!
- 次は自宅で使ってるプリンタが動かない……
- 持ち込むのか?
なかなか雰囲気がわかる楽しいイベントでした。
ML フィードしたので (まだ挨拶してない……) こんどオフにもいってみようかな。
2/21 3rd Track (Lunch Session) 「オープンソースの本を書きましょう!」
すげーつまんなかった。時間の無駄。
「ISBN コードが余ってる出版社探して、印税要らないからって出版を持ちかけろ」って、なんじゃそりゃー!
ということでレポ書くのも時間の無駄なので略。
2/21 4th-5th Track 「Debian パッケージングハンズオン トライ アゲイン」
このトラックにはすごく美味しい齣が沢山あって、そっちにすごく行きたかったのだけど、業務的にはこちら。
別に Debian Developer になりたいわけじゃなくて、印刷関係のミドルウェア、たとえば CUPS 1.4 のテストとかするとき、野良パッケージでも作った方が管理がラクだったりするわけで、そういうことには使いたいのさ。
講師は Debian JP の岩松さん。
「トライ アゲイン」というのは、去年 の OSC Tokyo/Spring で同じ会場でハンズオンをやったら酷い目にあったので、今回は再帰を決して、ということのようです。
- Live CD がぜんぜん起動しなくて辛かったですね。ハードウェアが古いから USB ブートもダメかも。むー。
- でも Debian JP メンバーの尽力でなんとかできた。ありがたやです。
- ハンズオンというのはやっぱりできた気にさせられちゃうね。ちょっとオレも遊んでみようと思うもん。
- でも入門としてはちょうどよかったかなぁ。あとは自習だな。
展示会場散策
あーぜんぜん展示見てないなーと思って LT パスして回ってきた。
とりあえずオライリーさんと翔泳社さんに貢いできた。お、重い。
買った本は別エントリで紹介予定。
オライリーさんのブースでLL温泉大分でご一緒させていただいた滝澤さんに挨拶いただいた。なんかこっちから気づけなかったのが悔しい (^^;)。
もちろんオライリーガチャガチャもやった。Hardcore Java と CGI Programming のバッジと Beautiful Code のキーホルダー。会社のお土産コーナーにおいとこう。
そいで展示会場をへろへろ回る。
といっても Ubuntu さんと Android の会さんぐらいしかちゃんと見てない (^^;)
あ、openSUSE さんで冬空風さん (なんと読むんだろう ^^;) にもちょろっと挨拶したたっけな。
わさーでお世話になってる id:androidzaurus さんとお話しできたのでよかったよかった。でも、「絶対この人だよなー」と思いつつ、名刺交換するまで言えなかったオレ超弱気。
やっぱ Android 面白いよ。今売りの Software Design 買っちゃったもん。
[rakuten:book:13138979:detail]
わさーミニお茶会
新宿に向かう途中のルノワールでわさーの知り合い4人でお茶。
色々お話しできて面白かったっす。またぜひ!
懇親会
面白かったよー。
話に夢中になってあんまり食べてないので腹減った。
ひとまずネタ画像。
まずは歴史的一品を。
すげぇよ! SPARCbookだよ!
実物始めて見た!
一見一昔前のノートパソコンに見えるけど、厚さが電話帳ぐらいあんの (^^;)。
すげー。
で、中には Solaris じゃなくて NetBSD が入ってるんだってさ。
もいっこ、LT (オレ行かなかったけど) のドラ娘の maccha さんが来てたお洋服が可愛すぎるのでお願いして写真撮らせてもらった。
本人曰く「もっと反応してもらえるかと思ったら、懇親会に来るまで誰もくいついてくれなくて……」だそうなのでスルーしたみなさんは猛省いただきたい。
花柄のインベーダーももちろん可愛いが、肩 (なんです、見えにくいけど) のピカピカ光る UFO がらぶりー。
でも maccha さん、これが流行った時期にはあなた産まれていなかったのでは……??
それと Polaroid POGO で盛り上がったので俺としては満足。
帰りはなぜか懇親会で隣の席になった yoozoosato さんとだべりながら帰ってきました。
いやいや楽しかったです。
遊んでもらったみなさん、lot of thx です!
またの機会にぜひ!
*1:昔、この日記でネタにしてコメントいただいたことありますよね?
*2:公式リンクだと iTunes に飛んでしまうので紹介ブログへリンク。
*3:しかしオイラの経験からすると、「ただ通じる」という観点からいえば L か R かなんか発音仕分けなくてもみんな分かってくれるけどなぁ……。通じなければ別の言い回しをすればいいだけで。正しい発音じゃないと通じない、という恐怖感を持つことが一番いけない。あ、でもこういう練習の意義を否定してるわけじゃないです。
*4:だったと思う。違ったらごめんです。
*5:酔っぱらうとおねーちゃんとツーショット写真を撮ることで俺内有名。
*6:はとちゃんがメンテナの Slackware 系 CD boot ディストリビューションの日本語版。