LibreOffice Conference 2014 Bern参加裏レポート
こんにちは。この記事はLibreOffice Advent Calendar 2014の初日です。すっかり忘れてたなんてのは秘密ですが、公開遅くなりましてすみません。
さてさて、今回はちょっと今更感もありますが、LibreOffice Conference 2014 Bernの参加「裏」レポートです。裏というのは、表は日経IT Proさんに書かせてもらったからです。
カンファレンスの内容とかは色んな所でしゃべったりなんだりしたので(聞きたいという人は呼んでください ^^)、ここは裏レポートというだけあって、準備とかオフタイムとかなんとかそういう話。
お金とかそういう話
今回のカンファレンス会場はスイスのBern(日本だとベルンと表記されるけど、向こうの人はバーンって発音してたと記憶してます)。スイスといえば美しい自然、観光地として外国人を暖かく受け入れてくれる人柄、美味しいチョコレートと乳製品、などが浮かびますが、もうひとつ、とにかく物価が高い、って印象があります。航空券とかホテルとか高そうってイメージがありました。
では実際のところ、かかった費用ってどんなもんでしょ? 見てみましょう。あ、スイスフランで支払った分は、今のレートで計算してます(当時のレートなんか忘れた)。
費目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
航空券 | \147,630 | タイ国際航空 成田 - バンコク - チューリッヒ 往復(エコノミー) |
鉄道 | \7,800 | SBB チューリッヒ - ベルン 往復(二等車) |
鉄道(追加) | \6,000 | 帰りのみ、一等にアップグレード |
宿泊 | \34,620 | 6泊(9/1〜9/6)、AirBnB(後述) |
合計 | \196,050 |
意外と高くないでしょう? タイ国際航空サマサマという感じではあります。トランジットも2時間と、短すぎず長すぎずでしたし。ただ、これは季節にも依るんだろうなあ。観光ハイシーズンだと、もっと高いかもしれません。
あ、SBBの一等アップグレードですが、これは別に贅沢したくなったというわけじゃなくて、乗るとこ間違えて「お客様ここ一等ですよ」「え、そうすか?」「どうします、二等に移動もできますけど」「(あーもう疲れてるしな……)いいです、追加料金払います」ってなっただけです。間抜け。
それ以外の費用ですが。
まず、LibreOffice Conference自体は参加費無料です。これはそう決まってるわけじゃなくて、一昨年参加したベルリンのカンファレンスだと50ユーロ払った記憶がある。けど、まあはした金です。国際カンファレンスはけっこう払うもんだったりしますからね。
それでついてくるのが:
- カンファレンスそれ自体
- カンファレンス会期中(9/4〜6)およびコミュニティデー(9/3)の朝食および昼食、フリードリンク(コーヒー、水、ソーダ類)
- 9/4のHack Nightおよび、9/5のSocial Event(フードとビール飲み食べ放題)
ですよ。イベント中はほとんどお財布からお金が出て行かない。スポンサー様様ですよね。
あと、個人行動分とかみんなでご飯食べにいった分とかは当然お金払ってますが、これは渡航前に3万円ぐらいをスイスフランに換金して持っていったので足りたんじゃなかったかな。おみやげはちょっとショートして、カードで支払った記憶がある。
そんなわけで、LibreOffice Conferenceは原則ヨーロッパでやるので高いな、って思うかもしれませんが、参加費とか滞在費はかなり安くなるので思ったほどではありませんよ、ということです。
AirBnB
AirBnBは最近露出も増えてますし、利用されたって経験がある方も多いかと思います。私は今回が初めてだったので面白いなと思いましたが、ここで仔細にレビューしなくてもよいでしょう。なによりプライバシーが欲しいって人には向いてないかもしれませんが、そうでなければ、リーズナブルな値段だけでなく、色々ふれあいのチャンスが得られて、でも自分の時間は確保できて、オススメです。
以下思い出話をちらほらと。
- 最初に申し込むときにメッセージするの推奨って書いてあったので「今度オープンソースのイベントでそっち行くんだ。LibreOfficeって知ってる?」ってメッセージしたら「知ってるよ!オープンソースコミュニティで活動してる人を泊められるなんて光栄だよ」って返事が帰ってきて、蓋を開けてみたらホストは現地でDrupalによるWeb構築の会社をやってたという。日本だとDrupalどうよ?みたいな話をした。面白いね。
- AirBnBのメッセージ機能はかなりよくできてて、現地ではSMSで送受信できるのでネット切れてても携帯あれば繋がって便利。
- ホストは超親切で、「えーと部屋にはどうやって行けばいいの?」「あ、わかりにくいから迎えに行くよ、駅で合流しよう」ってわざわざベルン駅まで来てくれて、バス乗り場の位置から切符の買い方、バス停の位置まで全部教えてくれました。お部屋も清潔だったしオススメ。もしベルン行く人がいたら紹介します。
- とはいえ部屋から会場までは徒歩30分ぐらいだったので毎日歩いて行ってました。朝6時半に起きてのんびり支度して7時に家出て、朝の冷たい空気の中を歩いて行くのは気持ちよかったです。帰りも歩いてたけど、毎日飲んだくれてて遅い時間だったから、道によっては結構暗くて怖かったw
- お部屋は普通の何室かあるアパートの一室を貸し出す感じ。他の部屋はホストやその相棒が使っているそうです(ここは彼らのオフィスで、お家は別にあるので、毎日来るわけではないとのこと)。そういう意味でバストイレが共用なので、タイミングを見計らう必要はあります。
- そしてぼくは同居人がシャワーを浴びてる最中にトイレに行きたくなり、ぴょんぴょん飛び跳ねる勢いで我慢したことがあります。トイレは行けるときに行っておきましょう。
- 毎日遅く帰って早く出かける日々だったのでホストとゆっくり話す機会があんまりなかったのは少し残念。せっかくのAirBnBなので、そういう機会を作っても良いかもね。
観光とかとか
ベルンはあんまり大きな街ではないので半日ぐらいで一回りできます。とっても良い街なので、行ったらぜひ観光しましょう。カンファレンスのローカルチームが、イベント終了後の9/7(土)にツアーを企画してくれてたのですが、私は残念ながら土曜日の飛行機だったので参加できませんでした。もし可能なら、日程合わせて参加すると二倍楽しいと思うので、みなさんはぜひ。
そのかわり、月曜日の朝に着いたので月曜日はフラフラと一人で歩きました。でも月曜日だと博物館とか全部しまってて残念。写真とかは機会があったらいずれ。
面白かったのは、昼ご飯食べたあと一旦駅に戻ってきて、トイレ行こうと思って構内を歩いてたら、LibreOfficeのTシャツを着た人が前を通りかかって「あれっ」と思ったら、それがThe Document FoundationのFlorianとAlexの二人だったというね。ベルリンで一回あったきりなので、声をかけたとき向こうはぼくのことわからなかったみたいだけど、ベルリンであったよね!って言ったら、ああお前か〜ようこそベルンへ、ってなって、ホテルまで遊びに行きました。で、その後みんなでご飯を食べに行くという展開に。全然観光じゃないな。
言葉とか
カンファレンスは公用語は英語ですが、多くはネイティブではないので安心です(なんだそりゃ)。まあ共通の土台はありますし、なんとかなりますよ。てきとう。そもそも、なんともならないと思う人は行かないと思うので。
今回はLTしましたが、その話はまた別途。あとQA roundtableでは「日本からはなんか意見ない?」って聞かれたりして適当に答えたりしました。ヨーロッパ人が多いLibreOfficeコミュニティにおいて、日本から来ている、というのはそれだけで価値なので、向こうは話を聞こう、理解しよう、というバイアスが結構かかっていて、その点は楽ではあります。
街歩きしたりご飯食べたりという点についてですが、ベルンはドイツ語圏なのでドイツ語ができたらそりゃいいに決まっています。けど、観光地なので大抵の人は英語しゃべれますので、その点は安心。同じアジアなのに、北京で絶望したときに比べれば格段の差です。
LTの話
というわけでやったわけです。LT。
これも、「せっかく行くのだからなんか喋ったりできないかな」ってついったで書いてたら、それを読んでたからだと思いますが我らがCalc HackerであるKohei Yoshidaさんが、Hack Nightのときにライトニングトークの取りまとめをしてたJan (Kendy) Holesovskyさんにつないでくれて、それで「じゃ、明日よろしくね!」ってことになったわけです。
資料はこちら:
最初自己紹介とかダラダラ書いてたら「君、5分しかないって分かってるかい?」ってKendyに怒られましてw、そりゃそうだと思ってガサガサ削ってこうなりました。でも向こうのLTってわりと1枚のスライドを丁寧にしゃべってスライド2〜3枚ってことが多いみたいで、Koheiさんによると「なんで彼はあんなにスライド急いでめくるの?」って聞かれてたそうですw
まあ実際のところ準備不足も甚だしいし、練習なんかまったくしてないからスライドとにらめっこで聴衆の方見る余裕ないし、いろいろ酷くて、すっごい落ち込んで、あーだめだ、もうつらい、って頭抱えてたら、「さっきの話、面白かったよ」「続き聞かせてよ」って席まで来てくれる人がいて。はー。うれしいですね。
ここで満足して英語の勉強しないので上達しないんですが(こら)、でも、概ね受け手は優しい。これは主張しておきたいです。はい。
まとまってないまとめ
多分LibreOffice Conferenceはしばらくはヨーロッパを巡回することになると思います。この点はお酒飲みながらでも話題になったのですけど、やっぱりコミュニティの強さとか色々考えると、TDF(ドイツ)やLibreItalia(イタリア)、それからCollabora(イギリス)があるヨーロッパ*1 の強さは光りますわね。サポートベンダーの層も暑いし。
で、ダイバーシティは、TDFからの旅費補助によるカンファレンスへのローカルメンバーの誘致とか、あと地域カンファレンスに中核メンバーが参加するなどといったことで確保するほうがいいんじゃないか、という。
これは地理的・参加者の旅費補助費用とかの問題だけじゃなくて、例えば日本でLibreOffice Conferenceを開催したとして、日本のエンドユーザーが英語トラックを聞きに来るか、それを聞いて満足するか、それが日本コミュニティを盛り上げることにつながるのか、ということを考えると、まあそうだよね、という。我々はコンシューマプロダクトを扱うコミュニティなので、コンシューマにとって国際カンファレンスをやることが意味があるか、というのは考えなければいけないですね。
でも日本からの情報発信というのはとても期待されていて、とくに事例を発表できる人、旅費補助はするからぜひ来て欲しい、と色んな人にいわれました。来年はデンマークです。ぜひ皆さん、ご検討ください。
さて、初日終わり。明日は榎さんです。よろしくお願いします。
*1:イギリスはヨーロッパじゃない、とかいう話はおいといて。