おがさわらなるひこのオープンソースとかプログラミングとか印刷技術とか

おがさわらなるひこ @naru0ga が技術系で興味を持ったりなんだりしたことをたまーに書くブログです。最近はてなダイアリー放置しすぎて記事書くたびにはてな記法忘れるのではてなブログに移行しました。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
特に断りがない場合は、本ブログの筆者によるコンテンツは クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

開催側から見たLibreOffice Kaigi 2016.12(前編)

遅くなってすみません。

ということで、LibreOffice Kaigi 2016.12 *1、成功裏に終了しました!

参加いただいた、登壇いただいた、デザインワークや当日の作業でお手伝いいただいたみなさま、感謝感謝です!

写真撮影:日本語チームの近藤さん

カンファレンスレポートは某所に書いてもうじき公開なので(公開されたらリンク付けます)、ここでは楽屋裏をば。

書いてたらすごい長くなったので、前後編に分けました。前編は主に事前準備についてなど。発表内容についてなどは後編で。

そもそもの発端

なんだっけ? 覚えていない……。

えーとですね、今年の頭にやった「LibreOffice mini Conference 2016 Osaka/Japan」(長いので以下miniconf)は、実は2015年開催のはずだったのですが準備が間に合わなくて1月になってしまったというのがありまして。LibreOffice Conferenceは例年秋開催なので、そのレポートを受けてやるとしたら本当は年末がいいよねという話があり。じゃーやっぱりやりますかーみたいな話をしたんじゃなかったかしら。

そうだそうだ、そもそもtech@サイボウズ式風穴さんから「LibreOfficeのイベントやらないんですか? やるならウチ使ってください」とお声がけいただいたというのはあります。

実は風穴さんからは、miniconfの基調講演で吉田浩平さんを呼んだときにも、「時間があれば東京でも講演してもらいましょうか?」というご提案をいただいたのでした。そのときは吉田さんの旅程を考えると難しいねという話になったのですが、そんなわけで前からサイボウズさまでなにかやりたいねという話になっていたのはあります。

ただ、個人的な話をすると、この話が持ち上がったときには私、体調が非常に悪くて、本業のほうでも色々調整していただいて時短勤務をしていたありさまで……。

「自分が幹事として動くことはできないけど、やるっていうならできる範囲で手伝いますよ。どなたか幹事に立ってくれれば」

みたいなえらそーかつ後ろ向きなことをいったにもかかわらず、やっぱりやりましょう、やったほうがいいねという話になった気がします。

開催に向けて前向きに考えた人の声があって、結果的にはいいイベントになったので、やっぱりやるぞ!と号令をかける人の存在は大事だなと思いました。私自身はあんまり自発性がなくて、誰かの問題を解く方が性に合っているので。

懇親会と共同開催

今回、懇親会はDebianと共同開催にしました。

というのは、12月開催ということで決めて風穴さんに日程打診したら、「実はけっこう埋まってしまっていて、同日開催なら可能です」「どこですか?」「Debian」みたいな感じで、最初うーんと悩んだりしましたが、Debianなら食い合いにならず一緒にやったメリットも出せるんじゃないかしらと。ディストリビューションのコミュニティだとデスクトップユーザーもいるし、実際日本語チームにもDebianユーザーはいるのでいいよねと。

本当はプログラムをあわせた形で共同にやれればいいなーとか夢想したのですが、何しろこちらは企画スタートが遅かったこともあってプログラムとかの決めごとが後手後手になっており、到底すり合わせながら一緒にやるのは無理でしょうと。

でも懇親会ぐらい一緒にできてもよくないかな、そしたら双方の参加者と交流もできていいよねということ決めたのでした。

こちらについては @koedoyoshida さんに大変にお世話になりました。また、前回miniconfに引き続きアイクラフトさんからスポンサーをという話をいただきましたが、アイクラフトさんのLibrePCUbuntuベースなのでDebianと共同開催の懇親会をスポンサーいただくのは理にかなってていいよねということで、今回もまたお願いしました。美味しい生ビール*2 ありがとうございました!

次回一緒にやるとしたら、もっと準備早めにしてプログラムもあわせて行きたいなー。

実行委員?

LibreOffice Kaigiは「LibreOffice日本語チームpresents」ではなくて、日本語チームの一部のメンバーが中核にはなっているけれども、基本的には広く運営をお手伝いいただける方を募って、運営チームとして活動するのがいいんじゃないかなと思ってます。改めて合意をとったわけではないですがだいたいみんな同じ考えじゃないかな。

私がKaigiについてのポストをメーリングリストに投げるときに、日本語チームではなくて「LibreOffice Kaigi 2016.12実行委員」みたいな肩書を名乗っていたのはそういう気持ちの現れです。

そんなわけで企画からお手伝いいただける人募集を早めにかけたかったのですが、そもそも募集するにも「具体的になにやんの?」がわからないと応募のしようがなかったのかなーと思ったり。

ので、Twitterで:

とか雑に募集したら @keikakomura さんに手を挙げていただきステキなバナーをデザインしてもらえました。やれありがたや。

https://connpass-tokyo.s3.amazonaws.com/thumbs/53/d4/53d424bdffffc4d605130681f5e35c4e.png

イベントバナー designed by @keikakomura さん

そして @nogajun さんにはこれまた素晴らしいイベントTシャツをデザインしていただきました。やれうれしや。

https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/15439749_718465941662557_3094631520835190407_n.jpg?oh=fe66f4475ee9974a3ca6bb2f42a0c08a&oe=58DF1058

Kaigi Tシャツ designed by @nogajun さん。撮影Franklin Weng

アートワーク周りは何をどう発注していいのか全然理解してなくて納期設定もめちゃくちゃでホントに申し訳ないこといっぱいしました。そんななかとってもイイ感じのものをいただけてありがたいでございます!

また当日のお手伝いも応募しましたところ4名の方にお手伝いいただきました。お名前出していいとか確認してなかったので全員の名前は列挙しませんが、会場案内係にタイムキープに写真撮影とさまざまに手伝っていただけて大変に助かりました。御礼申し上げます。

しかし本当はもうちょっとイベントそのものの企画から入ってくれる方が増えるとうれしいんですけどねえ。どうしたもんか。

イベントの取り回し

Kaigi運営の中核をやっていたLibreOffice日本語チームのメンバーは色んなところに散らばっているので、当然、普段の話し合いもネット越しです。

日本語チームは週に1回、Googleハンドアウトでチャットミーティングをしています。しかしチャットというのは会話が流れていってしまうのですが、議事録取ったりするのもそれはそれでめんどうだし、ミーティングをやってないときに「あ、そうだこれをやらなきゃ」と思ったときにどこかにメモっておかないと忘れちゃいます。

そんなわけでカンバンシステムであるTrelloを併用したりしています。使い方はシンプルに「アイディア/TODO/DOING/DONE」を用意して、そこにカードを配置していく感じ。厳密にカンバンで回しているわけではないので運用は適当です。

というのはKaigiに限らない日本語チームのやり方ですが。

しかし前述の通りイベント企画は外部の人も参画するわけで、外部の人が参加できないハングアウトチャットだけで意思決定するのはよくないねということになり、ありがちですがslackを立てました。slackでも参加しないと議事が見られないのですが、まあさすがにスタッフでもない人に公開する必要はないのかなーと。

今のところslackは今年に限らず「LibreOffice Kaigi」で一つのチームです。チャンネルとして #2016_12 というものを作っています。パブリックチャンネルなので一度お手伝いいただいた方は全部の内容が見られますが、それはまあいいでしょうと思っています。

とはいえ今回は外部メンバーがそもそも少なかったこともあってだいたいほとんどの話し合いはハングアウトでやっちゃいましたね。やや反省。

色んなサービス便利だからといって使いたがるのは私みたいなオタク気質のやつだけで、多くの人はslackとかTrelloとか普段はブラウザのタブで開けてないしスマートフォンにクライアントを入れているわけでもないんですよね。そうするとコアメンバーが確実にいるところというと日本語チームのハングアウトになってしまう。

ちょっと横入り:Trelloの使い方

実はTrelloを初めて知ったのは2014年のopenSUSE.Asia Summit 2014 Beijing*3のときです。

そのときは上の分類以外に「Front Banner」というのがあって、要監視項目的なものはそこにおいて、週次のチャットミーティング(openSUSE.Asia SummitではIRC)では:

  • Front Banner>DOING>TODOの順に見ていく
    • 忙しい人はとにかくFront Bannerだけでも議事に参加
  • 全員がTrelloアクセスできるわけではないので、「Trelloのカードをチャットにコピーする役」が立って、とりあえずの議論はチャットだけ見ていれば分かる
  • 結論はその場でTrelloに転記してステータスも動かす

みたいな回し方をしてました。

これいいなーと思ってマネしたかったりしたのですが、実のところ日本語チームだとTrelloと関係なくダラダラ話してることが多くてあんまりちゃんと活用できてません。

まあ備忘録として使う分には機能してるのでいいのかな。でも前述のようにTrello見られてない人も多いので、チャットへのコピペの運用だけはやりたいんだけど……なんかうまくいってないですね。

日本語チームはあんまりきちっとやり方決めるとかそういう組織ではないってことはあるかもしれないです。

以下TL;DR

名前が「Kaigi」になったこと

いろんなところで:

日本語ユーザーによる日本語ユーザーのためのイベントということを強調する意味でConferenceを意味する「会議」から取って「Kaigi」

的なことを書いてますが、ええ、当然、後付です。

実際のところは、「miniconf 2016だと1月のやつと区別がつかないから名前変えましょう」という理由だったりしました。

Kaigiという名前ももちろんRubyKaigiインスパイアです。

ただ、命名由来は後付であって、日本語ユーザー云々は全然考えていなかったかというと、私の中ではちょっと違います。

そもそも、前回までのイベント名称「mini conference」は、記憶が確かなら私が提案したものだったはずです。そして、この名称はどこから持ってきたのかというと、実はDebianなんですね。

Mini-DebConf in Taiwan

これに参加したよみたいなのを、Debianのやまねさん?かな?が書いてるのを覚えてて、それで日本でLibOのイベントやろうよって話になったときに「miniでいいんじゃない?」と言った記憶がある。

で、個人的にはminiconfという名前には「グローバルな年次会議であるLibreOffice Conferenceに対して、地域性はあるけどやっぱりインターナショナル」でありたいという気持ちを込めていました。これは別に、周りと整合を取ったわけではないけど、自分的にはそう思っていた。

けど、それから何年か経ってちょっと考えが変わったりしたのです。

LibreOfficeプロジェクトはグローバルなものですが、アプリケーションソフトウェアとしてのLibreOfficeは、日本語しかわからないごく普通のユーザーが普通に使えて当然なもので。

なので、数少ないイベントの機会を考えると、やっぱり日本語にフォーカスしたほうがいいんじゃないかなーと思ったわけです。そうやって日本のユーザーコミュニティが盛り上がってくれば、コミュニティ活動をしたいという人、グローバルに何かしたいという人も増えてくるかもしれないし*4

個人的には、地理的に近い(=タイムゾーンが重なる)アジア、特にCJKで課題を同じくしている東アジア文化圏、とりわけ台湾とは仲良くやっていきたいしコラボレーションもしていきたいのですが、それはたとえばMini Debian ConferenceとかFOSSASIAとかCOSCUPのようなところでLibOの話をしてもいいし、私が個人的に台湾とかに行ったりしてもいいわけです。

もちろん手間暇コスト(運営側でなくて参加者側も)を考えずにいうと、日本でユーザー向けカンファレンスとインターナショナルカンファレンスが両方行われる(同日程であってももちろん可;LibO Conferenceも現地語でのビジネスユーザー向けトラックが設けられることもある)方が望ましいのかもしれないけども、マンパワーだけ考えても正直つらいもんなあーと。思うのでした。ココらへん、LibOだけでなく、他の人とも色々話していきたいとは思います。

*1:以下断りなしにKaigiと書いたらこのイベントのこと

*2:お寿司もスポンサーいただいたのですが、私が見たときにはもう食べ尽くされておりました。ははは。

*3:なぜopenSUSEユーザーでもない私が、このイベントの設立メンバーの一人になっているかは謎ではあります。

*4:そう楽観的ではないのは承知していますし、ユーザーが増えれば変な人も増えて却ってモチベーションが下がるのではという懸念もありますが、まあここはポジティブに考えて。