LibreOffice UI/ヘルプ翻訳プラットフォーム移行とTIPS
この記事はLibreOffice Advent Calendar 2019の4日目の記事です*1。
LibreOfficeの翻訳まわりについては過去にこのブログやイベントなどでお話したこともありますが、最近のトピックとして、UIとヘルプの翻訳プラットフォームがPootleからWeblateに移行しつつありますよというのがあるのでそのご紹介。
これは、Pootleが人的リソースの低下で開発がほぼ止まっており、改善の見込みがむずかしそうという理由だそうです。OSSでセルフホストをすることを前提とすると、Weblateがほぼ唯一の選択肢であるとのこと。
現在はまだ、すべてのプロジェクトが移行しているわけではなく(たとえばWebサーバーとかLibreOffice OnlineなどはまだPootle)、 https://translations.documentfoundation.org/ はPootleサーバーを向いていますが、UIとヘルプの最新(master)の翻訳は https://weblate.documentfoundation.org/ で行われるようになっています。なおアカウント情報は共有されているのでどちらも同じID、パスワードで入れます。
Pootleの管理単位がモジュール(ディレクトリ)ごとであるのに対し、Weblateはプロジェクトの下にすべてのPOファイルが並列に並ぶという構成になっていて、ちょっと見通しがよくないのですが、これも慣れといえば慣れかも。
ちょっと不便な点としては、PootleにあったPOファイルの一括ダウンロード、アップロード機能がなくなってしまいました(ファイルごとは可能)。日本の翻訳ワークフローだと原則Web上での作業が推奨で、致命的ではないですが、POを手元にもっておいてgrepなどで検索したいというニーズは普通にあったので。ただ、これも代替手段はあるのでこのあと紹介します。
日本語チームとしては、これまでは各チームのコーディネーターに各ユーザーの査読権限付与を行う権限があったのですが、それが廃止されてしまって、グローバルの管理チームに依頼する形になったのが少し面倒になりましたね。まあそんなに頻繁にやる作業ではないので大丈夫ですが。
Weblateの使い方的なやつはどこかもっと公式的なところで書きたいと思います。TDF Wikiにコンテンツがあるのが一番望ましい。英語できるならPootle GuideにあたるWeblate Guideを書いて、そいつを翻訳するところなのですが。
GithubからPOを一括ゲット
ということでPOファイルを一式ほしいなというときにWeb経由ではできなくなりました。代わりに、リポジトリから取得することが推奨されています。
その前に前提として、もし自分でLibreOfficeをビルドしているなら*2 ビルドディレクトリ下の translations
にブツがあるのでそれを見ればいいです。そうでない場合。
LibreOfficeのリポジトリは https://gerrit.libreoffice.org/translations *3 なのですが、ちょっと重いので取ってくるだけならGithubにあるミラーを使うのがオススメです。
なお、このリポジトリにかぎらずLibreOfficeのGithub上のリポジトリは読み込み専用ミラーなので、ここにIssueやPull-req投げても意味がないのでご注意。
でまあ、このリポジトリですがむちゃくちゃデカイので普通にcloneすると大変です。git clone --depth 1
するか、素直にZIPファイルで最新のファイル一式ダウンロードするのがよいです。
なおこのリポジトリは当然全言語入りなので日本語だけほしいというニーズには向かないです。試してないですがこの記事:
にしたがってsparse checkoutするといいのかなー。いつか試して別の記事にしたいかも。気長にお待ちください。