寄付:質問とその回答(TDF Blogの翻訳仮置き場)
※この文書はThe Document Foundationによる “Donation: questions and answers” の参考訳です。 訳したのはよいのですが置き場所がないので私のブログに仮置き。公式っぽい場所を検討しております。
あと、かなりエイヤーで訳したので、適切でない部分もあるかもです(そもそも、何度も書いておりますがワタクシあまり英語が得手ではありませぬ)。編集途中のバージョンのリンク(Google Docs)置いておくので、コメントよろです。
続きを読む執筆報告など(Ubuntu 17.04のドライバーレス印刷関係)
ごぶさたさまです。珍しくメディアに執筆をしたので宣伝的なエントリー。Amazonなリンクはアフィなので嫌な人は踏まないでね。
どっちもUbuntu 17.04注目の?新機能、ドライバレス印刷についての記事です。
5月24日、gihyo.jpの人気連載Ubuntu Weekly Recipeに次の記事を書かせてていただきまして、
ついで、本日発売(だよね?)の日経Linux 2017年7月号の特集2「新登場! ここが変わった! Ubuntu 17.04 徹底解説」に、Ubuntu Japanese Teamのみなさんに一人混じって*1 2ページ書かせていただきました。
日経Linux執筆裏話。
裏話というほどのものでもないですが。
日経Linuxさんで、Ubuntu 17.04の特集が企画されているけど、印刷関係の機能も紹介したほうがいいと思うので、2ページほど書けますか? と、本特集のとりまとめをしていた……名前書いていいのかな……とかもったいぶっていたらご本人から表明がありましたが、あわしろいくやさんからご連絡をいただいたのがきっかけです。
紙媒体と電子媒体という違いもありまして、公開はRecipeのほうが先ですが、そもそもは日経Linuxさんのほうが先だったわけです。
17.04といえばドライバーレス印刷で、それからUnity8でも印刷機能がちゃんと動くようになったよ! という(密かな)ウリがありまして、それを書かせていただけるのは光栄だなあと思いお引き受け。最近いろいろアクティビティ下がってますけど、2ページぐらいなら書けるかなと。
私、一応メインの個人PC環境はずっとUbuntuで、昔はベータぐらいの段階で do-release-upgrade
してずっと最新を追いかける生活をしていたのですが、なんか色々気力がつきてしまい、16.04で止まっていました*2。
でも記事を書くとなればやっぱネイティブ17.04の環境がほしいなあって思いまして、重い腰を上げて秋葉原でSSDを買って、17.04をインストールしたのが4月下旬。ぼやぼやしてると5月ではないか。締め切りすぐではないか。やばい。
そんなわけで、まずはドライバーレス印刷から試そう! と、昨年6月に今のアパートに転居したときに箱にしまって、そのままにしていた
を取り出しまして、コンセント繋いで電源ON! ……ん? なにこのエラー? E3?
本製品の液晶画面に表示されるエラー番号について | ブラザー
E3: 基板に異常が発生しています。
これはあかんやつなのではないか。あわわ。プリンターが壊れていたら記事が書けないではないか。
いやまて、もう長いこと新しいプリンター買ってないし(調べたらDCP-J940Nを買ったのは2012年……もうそんなになるのか)。これは買うよい口実では。
ということでいそいそと新橋のヤマダに行って買ってきました。
前述のRecipeで、エプソンにしたのはいくやさんの書いた過去のRecipeの機種選定理由と同じと書きましたが、それは本当です。私はプリンターマニアっぽく思われてますけど基本プリンターは投げ売りしか買ってないので、2万円弱もする高級品を買ったのは多分20年ぶりですが、エプソンは投げ売りをしないので(よいことです)しょうがない。
まーそんなわけでさくっとWi-Fi繋いだらその瞬間からUbuntuのプリンターアイコンが追加されてて、印刷!ってやるとシュシュシュって紙が出て……すげー! 感動。
が、あれれ? カラーで出ない。なんで? と思い色々調べたって内容はRecipeに書いたので、ここでは割愛。 書いた内容は記憶をたどって書いたので実際とはまったく同じではないですが、誇張なしです。
ともかく、ドライバーレス記事は書けるようになったので、ざくっとまずは使い方HowToを書いてみた……ら。 分量的に全然つらいです。Unity 8の印刷? ごめん、入らないですね……。
最初は:
- 基本となる使い方(ってつなぐだけで使えます以上のことはないんですけど)
- 動作原理の概説
- 実際の動きを説明
みたいなストーリーを考えてたんですが、全部書いてみたらまったく字数オーバーで、実際の動きを説明する部分はお蔵入り。 それでも大きくアフレてしまい、編集さんにはお手数をおかけしました。
結果としてはまあまあうまくまとまったんじゃないかな? と思います。
Recipe裏話
で、まあ、執筆のさなかにUbuntu 17.04リリース記念オフラインミーティング17.05がありまして、本編は事情があって出られなかったのですが二次会にだけ混ぜてもらいました。
そこでダラダラと雑談してるときに、
「いやー日経さんの記事書こうと思ったらプリンター壊れてて大変だったんすよー」 「印刷してみたらモノクロしか出ないし」 「で、色々調べて、こうこうこうだなって思って」 「どこで報告すっかなーってこうこう考えてレポートして」 「案の定Tillが拾ってMikeと相談して、今どうしようかって相談してるぽいっす」
みたいなことを話したら、「その話面白いですよ、Recipeに書いてください」と言ってもらい。
そんな内容でよいのであればということで書いたのがあの記事です。
Recipeでは流石に他誌に書くためにプリンター買ったとは書けない?ので自発的に買ってきたみたいに書いてますが、それ以外はさっきも書きましたが、ほぼ掛け値なしに本当の内容です。
これも繰り返しですがこの内容のほうが先に公開されてしまうので、書き方は少し気をつけました。Recipeと銘打っているにもかかわらず、レシピ的ではなくて時系列な「お話」にしようというのは最初から考えていたことです。日経Linuxの原稿で書いたけどお蔵入りした、実際のドライバーレス印刷はどう動いているか的な話は、この記事ではトラブルシュートの道筋として書いていますので頭に入りにくいかもしれませんが、それは意図的です。成功しているかどうかはわかりませんが。
両方公開された今、メディアミックス的に両方の記事を楽しんでもらえたらなー。と、思います。
Unity8の印刷
完全にボツになったUnity8の印刷ネタですけど、下回りは通常と同じですし、設定画面は普通にsystem-config-printerが動いてるだけだったので、まあ省略してもいいかな?と。
未来への宿題
この二つの記事を書く途中に
この記事にあたったんですけど、ちょっと色々と誤解を生みそうな記事だなあと思ったので、いつか解説を書こうと思います。
LibreOfficeの新しいUIコンセプト「MUFFIN」について
Facebookの「LibreOffice(日本語)」ページにアナウンスとして書いたらちょっと長文になってしまったので、もったいないのでこっちに転記します。
LibreOfficeを支援する非営利団体The Document Foundation(TDF)により、LibreOfficeの新しいUIコンセプトである「MUFFIN」が発表されました。
MUFFINはMy User Friendly & Flexible INterface(私のユーザーフレンドリで柔軟なインターフェイス)の略ということになっていますが、まあ、正直なところこの手の頭字語の常で、強引な点はご容赦ということで。
でも、この単語はそれぞれMUFFINのコンセプトを表すキーとなっています。以下ざっくりとした訳。
- My(私の): LibreOfficeユーザーは「個人的な(personal)」UIを手にします。ユーザーの個人的な習慣にあわせることができる選択肢がそれを可能にします。選択肢のない唯一のUIではなく。
- User Friendly(ユーザーフレンドリ): もちろん、どんなUIも可能な限りユーザーフレンドリであるべきですが、LibreOfficeのユーザーはずっと「モジュラーな」UI、ユーザーフレンドリーさの段階を自分で設定できるUI、を求めてきました。選択肢のない唯一のUIではなく。
- Flexible(柔軟な): 異なる性格や画面サイズ、解像度を持つ異なるハードウェアプラットフォーム(つまりデスクトップとラップトップ)で利用するLibreOfficeユーザーが増えてきて、実際の画面に併せて変更できるUIを求めてきました。選択肢のない唯一のUIではなく。
- INterface(インターフェース): MUFFINのコンセプトは、LibreOffice 5.3から、標準あるいは実験的機能として提供された異なるUI要素の組み合わせです。デフォルトのUI(ツールバーあり)、シングルツールバーUI、シングルツールバーありのサイドバー、新しい「ノートブックバー」(実験的機能)。それぞれのUIレイアウトはLibreOfficeユーザーのそれぞれ異なった集団向けとして考えられています。
私の理解では、現代の文脈では「選択肢のない唯一最高のUI」を提示することがよい、とされていると思っています。それは一面において真実だとは思うのですが、どことなく「唯一最高のものを提示して与えてあげる」というところに独善的な匂いを感じることも事実です(その独善性こそがよいというのも、もちろん認めますが)。
一方で個別的であること、自分の好きなようにカスタマイズできることは、オープンソース的で開かれたシステムを志向していて、好感が持てると個人的には思っています。各段落で「選択肢のない唯一のUI」を否定しているのは、「その立場は立場として、我々は選択肢を是とするよ」という宣言だと私(小笠原)は考えています。
「実験的な機能」として提供された「ノートブックバー」*1 はタブ付きのツールバーのようなもの(リンク先スクリーンショットを参照)で、いわばMicrosoft Officeの「リボン」的なUIです。
LibreOfficeはMicrosoft Officeの互換品ではないので彼らのUIデザインを踏襲する必要はない派、そうはいっても置き換えとして使われることが多いのだからUIデザインを合わせるべき派というのはそれぞれにおりまして(個人的には前者)、後者の意見を尊重しながらも、安易な真似にならないよう*2 にUIコンセプトとして提案するという努力は買いたいと思っております。
上のざっくり訳にも書いたとおり、現在開発中のLibreOffice 5.3から「ノートブックバー」をお試しで利用することができます。[オプション]>[詳細]にて[実験的な機能を有効にする]をオンにした上で、[表示]>[ツールバーレイアウト]>[ノートブックバー](翻訳はまだ適用されていないかも)。
まだまだ使い物になるレベルではないですが、味見してみてもいいと思います。「こうしたほうがいいんじゃないかな?」みたいな提案もどんどんとしていきましょう。
Document Liberation Projectについて
この記事はLibreOffice Advent Calendar 2016 12月17日の記事です*1。
LibreOfficeをホストする非営利法人The Document Foundationのもう一つのプロジェクトであるDocument Liberation Project(ドキュメント解放プロジェクト、かな?)についてはあまり日本語の情報がないと思いますので、ちょっと紹介しようかなと。今回はあくまでもあっさりした紹介です。
英語に拒否反応がない人ならこのビデオを見るのがいいかもしれません。字幕付きなのでヒアリングがダメな人(私のことだ!)でも大丈夫です。
大雑把にいうと、プロプライエタリなドキュメント形式を読み込むインポートフィルタを開発し、それを、よりオープンなドキュメント形式で保存することで、ユーザーの知的財産であるドキュメントを「解放」しようというプロジェクトです。開発されたインポートフィルタはLibreOfficeでも用いられていますし、他のプロジェクト(たとえばInkscape、Scribus、Calligra)などでも用いられます。
今日のところは、Document Liberation Projectの傘下にあるプロジェクト群を単純に列挙します。
基盤ライブラリ
ライブラリ名 | 内容 |
---|---|
librevenge | 他のすべてのライブラリの基礎となるもので、ドキュメントインタフェースと共通型を提供。またいくつかのフォーマット(プレーンテキスト、HTML、CSV、SVG)へのエクスポートも提供 |
エクスポートライブラリ
ライブラリ名 | 内容 |
---|---|
libodfgen | ODF エクスポートライブラリ |
libepubgen | EPUB エクスポートライブラリ |
librvngabw | AbiWordエクスポートライブラリ |
インポートライブラリ
ライブラリ名 | 内容 |
---|---|
libwpd | Corel WordPerfectインポートライブラリ |
libwpg | Corel WordPerfectグラフィックスインポートライブラリ |
libwps | Microsoft Worksインポートライブラリ |
libmwaw | たくさんの古いMacドキュメントインポートライブラリ |
libabw | AbiWordインポートライブラリ |
libcdr | Corel Drawインポートライブラリ |
libmspub | Microsoft Publisherインポートライブラリ |
libvisio | Microsoft Visioインポートライブラリ |
libetonyek | Apple Keynote/Pages/Numbers インポートライブラリ |
libfreehand | Aldus/Macromedia/Adobe FreeHand インポートライブラリ |
libe-book | たくさんの電子ブック用インポートライブラリ |
libpagemaker | Adobe PageMaker インポートライブラリ |
現在使われているドキュメント形式だけでなく、ちょっと懐かしい感じなものもあります。たとえばlibmwawはクラシックMacのMacWriteなどをサポートしていたり、libe-bookのサポート形式にはPalmで広く使われていた電子ブックフォーマットのPalmDocがあったりしています。
このように、すでにベンダーによって見捨てられたデータ形式であっても、Document Liberatoin Projectの成果物によってよりモダンなフォーマット(=ODF)として蘇らせることができるというのがこのプロジェクトの意義だったりします。
本日はひとまずさわりだけですが、技術的な面もご紹介できたらなーと思います。
*1:書き始めたのが25日の夜10時半であることは考えないことにしましょう。
開催側から見たLibreOffice Kaigi 2016.12(後編)
そんなわけで後編。前編はこちら。今度は発表周り。
当日の雰囲気はこんな感じ。会場おしゃれでしょ。撮影は多分わたくしの携帯
Franklinを呼んだ話
前回は基調講演者に吉田浩平さんを呼んだので、今回はどうするか。うーん。みたいな雰囲気になったときに、これまた安部さんが「台湾から人を呼ぶのはどう?」と。
台湾は現在、政府の共通文書形式としてODFを採用しようという活動をしています。この点でもLibreOffice Kaigiにはふさわしい。それに限らず台湾はオープンソース系の活動が盛んでもあるし、日本と同じ、漢字を使い縦書きもありルビも使う。できればつながりを密にして、一緒になにかやっていきたいと思っていたのはそうです。
で、台湾からまず人を呼ぶとしたら、LibreOffice Conferenceで仲良くなったFranklin Wengがまず上がります。弁も立つし外交的だし活動的なので、多分日本から招聘したら喜んできてくれる。とは。思いました。
けど、ひとつ引っかかったのは、彼は日本語はまったくわからないんですよね。台湾には日本語を勉強している人もいて、昨年のopenSUSE.Asia Summitに行ったとき、ときどきすごい流暢な日本語で話しかけられてびっくりする経験をしたのですが、彼はそうではない。
えー。彼なら適任だけど通訳どうしよう。私は実力的に無理だし頼めそうなあてはないしお金はないし、みたいなことを言ったら、「いや別に英語で大丈夫じゃないですか?」と。うーん。大丈夫かな。どうなのかな。大丈夫じゃなかったらせっかく来てもらうのに悪いよな、とか色々考えたのですが、
- 彼の話は絶対に面白いので、多少無理をしても呼ぶ価値も聞いてもらう価値もある
- とにかく一度繋がっておけば、台湾と色々交流するチャンスも生まれるのでは
- 仕事でやってるわけでもないし、自分たちが話聞いてみたい! と思うゲストを呼べばいい
などと考えて、では呼びましょう!ということになりました。
という話をFranklinにFacebookチャットでしたら、すごい感激してもらって。あーやっぱり声かけてよかったなと。
発表するFranklin。撮影近藤さん
早々にスライドももらったので、翻訳する余裕もできました。予告編を作ったりもしました。
招聘の旅費とか
(2016.12.23 20:26追記)
一個書き漏れていましたが、今回、旅費はThe Document Foundationのマーケティング予算から出していいよという許可をもらいました。ので、我々は一円も払っていません。ありがたいことです。
Franklin自身もTDFのメンバーなので、旅費精算は彼に直接お願いしてしまいました。ので、こちらがやったことは予算を使っていいですか、とお伺いを立てるメールのやり取りだけです。
ここらへんはシステム化していないので、手のぬくもりが感じられるメールのやり取りが必要になりますが、費用対効果をちゃんと説明すれば許可はおりるのでそんなに大変ではないです。
なお、実はLibreOffice日本語チームのようなNative Language Projectでも予算は確保されているはずなので、そちらの予算を使うこともできるはずです。手続きがよくわからないというのはあるのですが……。
スライドは英語? 日本語?
英語苦手な人(私もそんなに得意じゃないですけど……)のケアをどうする? というのも最後まで議論になったりしました。
実は、スライド日本語に翻訳したよ! と連絡したとき、それを投影するなら、日本語見ながらプレゼンする練習するけど、どう? とFranklinに言ってもらったのですが、私が断っちゃったのです。
わざわざ来てもらうのだったら話しやすいように話してもらうのが一番だなーと思ったのがひとつ、それから、個人的な体験としては、トークが英語のとき、スライドが日本語だと却って聞きにくいというのがひとつ。 二つの言語が脳内で処理できないんですよね。
で、日本語のほうを投影したほうがいいんじゃない? と直前にいわれて、いやそれは今更たのめませんよとちょっと不機嫌になってしまったり。 Franklinとの事前のやり取りは私が握ってたので、分かるわけないね。ごめんなさい。
日本語・英語を両方併記したら? という意見もあり、榎さんがわざわざ作ってくれたのですが、 これはちょっとスライドが読めなくなってしまい厳しいので、ボツにしました。
なので、翻訳を印刷したやつを配ればいいんじゃない、と思ったのですが、 なんだか評判がよくなくて。 どうやって配布するかめんどくさいとかいうのは分かるんですけど、積んでおいて欲しい人もっていってって言う分にはいいかなと思ったので、えいっとキンコーズで印刷して持って行きました。 そしたら、結局会場にいるみんなに配布してもらえました。
ただ、渡されたのはいいけど日本語が書いてるとは気づかなかった、とあとでいわれ少々がっかり。要らんかったのかなあ。
どうしたらいいもんなんですかね。技術カンファレンスなら、あるいはコミュニティが十分大きくてアクティブなそもそもインターナショナルなイベントなら、英語ぐらい頑張って聞きなよ、って言ってもいいかなって思うんですけど。
質疑応答難しい
会場にいた人、あるいはビデオ見た人は知ってると思ったけど、 質疑応答ぐらいは通訳とはいわないけど、まあ取り持ちぐらいはしようかなと思ってました。
そしたら最初の質問からしてどう言っていいのかさっぱりわからん。
台湾は今年政権交代があって総統が変わったけど、それによる影響は?
ごめん総統って英語でなんていうの? (今調べたら単にPresidentでいいみたい)ってところでアガッてしまい、 普通の英語も使えなくなってかなりヤバイ感じになりました。
結局会場みんなで、こうかな? ああかな? みたいに一緒に考えてくれたので、 結果オーライといえばいえるかなw
通常トーク時のケア
ちょっと失敗したなーと思ったのは、 Franklinの言葉をどう届けるかはいろいろ考えたし話し合いもしたのですが、 彼がイベントで話されている内容をわかってもらう手立てをぜんぜんできなかったことですね。
最低でもプログラムは英訳して渡せばよかったよ……。
本人は
「今日楽しかったよ、日本語は何言ってるのか全然わかんなかったけど、時々自分の名前だけが聞こえてくるのが」
とはいってたのですが、まあ、今日つまんなかったっていう人はいないよね。うーん。
公募トークとかパネルディスカッションとか
今回けっこう困ったのは30分のフルトークもライトニングトークも応募がほとんどなかったことです。
そんな中、妹尾 @senopen さんが手を挙げてくださったのはとてもありがたかったです。内容も充実で、まあ後からみて「こうしたらいいんじゃない?」みたいなのはあるのですが、それは最初に議論の種となるサーベイの結果があるからであって。懇親会でちょっとお話したところ「POSIX原理主義という理想を広めるために発表をしたかった」とおっしゃっていましたが、私自身がその理念理想に賛同するかはおいておいて、使える機会としてLibreOffice Kaigiを選んでくださったのはうれしいなーと思いました。
もうひとつチーム外から応募があった @nogajun さんの発表も妹尾さんのとかぶっていたのはこれは仕込みなし、本当に偶然。 タイトルだけ見たらあれ、被っちゃってるけどどうしましょう、って思ったりしましたが、内容を見ると妹尾さんのは相互運用、 @nogajun さんのはデザインとか使い方テクみたいな話で、同じ「スタイル」というテーマで視点が異なるので並ぶと却って面白いのでは、という意見で一致し、両方にお話お願いしましたが、本当にそういう分かれ方になってよかったです。
日本語チームの一員だからというわけではなくて安部さんに話していただけるのはとてもよくて、やっぱり日本在住の開発者は貴重ですからね。開発の話もっと聞きたいです。LibreOffice Conferenceだと聞けますけど、英語やっぱりしんどいし。
LTも身内ばかりになりそうだったので、同人誌「Linux User」の脱稿間際で忙しいことは重々承知で小江戸らぐ主宰の @hatochan を引っ張りこみました。おかげで内容も多様になって感謝感謝。
小笠原発表 "Make It Better Together: コミュニティを主体としたLibreOffice翻訳"
私のトークは、うーん枠余ってるなら翻訳のことでよければ話してもいいけど……みたいな消極的な態度でいたら、安部さんにぜひ、といわれて、安部さんにそういわれたら断れないので頑張りました。こちらスライド。
新規性がないネタではありますけど、グローバルプロジェクトとしてのLibreOfficeにおけるルールと、各言語翻訳プロジェクトの裁量になっている部分みたいな説明は一度やっておきたかったので。面白く思ってもらえたとしたら嬉しいな。
しかし、スライド作り始めたのが12/9(金)の会社の昼休み、夜の時点でまだ5枚しかできてなかったけどFranklinたちとご飯食べにいってしまい、帰宅してから頑張って作業したけど5時、あーつらい、15分だけと思って寝たら朝になっていて超絶焦りました。間に合わないかと思った……。
結局会場についてイベントが始まってからもスライド作っていて(登壇者の皆さんごめん!)、ギリギリ間に合ったー。やばかった。しかし練習を一回もしていない割には時間ちょうどでした。びっくり。
パネルディスカッション
こっちはもっと場当たり的でした。ほんとすみません……。
でも、思ったよりは盛り上がったんじゃないかとは思っています。パネリストの皆さんがやっぱり色々話題を持ってる人だったからというのはありますね。というか、それなのに司会がしゃしゃり出すぎてすみません。喋らないのも練習が必要ですね ><
パネリストの榎さんと大森さん。撮影はopenSUSEユーザ会武山さん
渡辺さんはビデオで参加。撮影近藤さん
少し時間を巻き戻してドタバタを。
前回miniconfのラウンドテープルはちょっと反省すべきところも色々あって、今回は違うことやらない? という話になり、パネルディスカッションがいいんじゃないかなーということになったのはいいけど、パネリスト候補として名前が上がる人の都合が色々とつかず困ったぞと、どんどん開催日が近づいて焦ります。
ダメ元でリモート参加で福岡の渡辺さんにお願いしたらいいんじゃない? と仮になったのが、直前12/7(水)のミーティング。裏でFacebookメッセージで打診して快諾いただきました。司会はやっぱり誰もいないので私がとりあえず持ちますということになり。お題を確定して後はオンラインでということに。
が、みんな何気に忙しくて打ち合わせも何もできずに当日。最初は各設問に対していのキーメッセージぐらい事前に集めてスライドに出そうかと思ったけど、どうせドタバタだしライブ感で勝負ということにしてナシに。
そして福岡とのつなぎ方を決めてなかったので、まずはリハやりましょうということで11時半ぐらいから*1。なんと、渡辺さんはヘッドセットの類をお持ちじゃなかったので、この日の朝に買いに行っていただいたのだそうです。ありがたや。
それからFacebookのチャットで:
「さて、接続方法は何がいいでしょう? Skypeとか?*2」
「Skypeってインストールの必要があるんでしたっけ。ビデオ会議やったことないのでわからないです」
「お、そうなんですね……じゃ、ハングアウトなら何もなしで行けるかも?」
「えーとどうやるんでしょう」
「(しまった最近ボイチャなんかしてないから忘れた……)えーとそもそもまずはGmailを起動するところからでしたっけ」「(振り返って)どなたかご存知ですー?」「うーんたしかそのはず」「ではお願いします」
(中略)
「ではこちらからコールしますねー」
「……」
「あれ、つながりません?」
「なんかポップアップが出て取れないです。こちらから呼んでみます」
「お願いします!」「お!かかってきました。もしもし?」 「もしもし。つながりましたねー」
「つながりました」
「……あっ。会場側に外部マイクとスピーカーがない!……このピンジャックつなぐといけるかな、もしもし?」
「……もしもし? 聞こえなくなりました」
「がーん。会場側のスピーカーへの線をつなぐとマイクが取れなくなる。どうしよ……まあいいや、PCのスピーカーにマイク当てて喋ってもらいます」
「了解ですー」
はっ。もう開場まで時間がない。事前打ち合わせしないと。
じゃー集まってください。うーん。最初に自己紹介して、お題について一巡一言ずつ喋っていただきます。お題なんでしたっけって? えーそれ今言いますかw これこれこうで……。
順番は場当たりで指定します。それを受けて一旦私がまとめて、適当に振るんで、それぞれ答えてください。
え? スライドがあったほうがいい? パネリストの名前とお題ぐらいは欲しい?
あ、じゃあそれは作ります。できたらFacebookチャットで共有します。
なにかご質問は? ない? じゃあ、あとでよろしくお願いします。
と、ホントにこんな感じでした。
逆にいえばこんな感じでもリモート参加ありパネルディスカッションってできるんだと思いましたが、健康に悪いので次回はもうちょっと準備したいと思いました。まる。
資料とかビデオとか
資料はイベントサイトに順次置いていきます。
動画も公開しています。
開催側から見たLibreOffice Kaigi 2016.12(前編)
遅くなってすみません。
ということで、LibreOffice Kaigi 2016.12 *1、成功裏に終了しました!
参加いただいた、登壇いただいた、デザインワークや当日の作業でお手伝いいただいたみなさま、感謝感謝です!
写真撮影:日本語チームの近藤さん
カンファレンスレポートは某所に書いてもうじき公開なので(公開されたらリンク付けます)、ここでは楽屋裏をば。
書いてたらすごい長くなったので、前後編に分けました。前編は主に事前準備についてなど。発表内容についてなどは後編で。
そもそもの発端
なんだっけ? 覚えていない……。
えーとですね、今年の頭にやった「LibreOffice mini Conference 2016 Osaka/Japan」(長いので以下miniconf)は、実は2015年開催のはずだったのですが準備が間に合わなくて1月になってしまったというのがありまして。LibreOffice Conferenceは例年秋開催なので、そのレポートを受けてやるとしたら本当は年末がいいよねという話があり。じゃーやっぱりやりますかーみたいな話をしたんじゃなかったかしら。
そうだそうだ、そもそもtech@サイボウズ式の風穴さんから「LibreOfficeのイベントやらないんですか? やるならウチ使ってください」とお声がけいただいたというのはあります。
実は風穴さんからは、miniconfの基調講演で吉田浩平さんを呼んだときにも、「時間があれば東京でも講演してもらいましょうか?」というご提案をいただいたのでした。そのときは吉田さんの旅程を考えると難しいねという話になったのですが、そんなわけで前からサイボウズさまでなにかやりたいねという話になっていたのはあります。
ただ、個人的な話をすると、この話が持ち上がったときには私、体調が非常に悪くて、本業のほうでも色々調整していただいて時短勤務をしていたありさまで……。
「自分が幹事として動くことはできないけど、やるっていうならできる範囲で手伝いますよ。どなたか幹事に立ってくれれば」
みたいなえらそーかつ後ろ向きなことをいったにもかかわらず、やっぱりやりましょう、やったほうがいいねという話になった気がします。
開催に向けて前向きに考えた人の声があって、結果的にはいいイベントになったので、やっぱりやるぞ!と号令をかける人の存在は大事だなと思いました。私自身はあんまり自発性がなくて、誰かの問題を解く方が性に合っているので。
懇親会と共同開催
今回、懇親会はDebianと共同開催にしました。
というのは、12月開催ということで決めて風穴さんに日程打診したら、「実はけっこう埋まってしまっていて、同日開催なら可能です」「どこですか?」「Debian」みたいな感じで、最初うーんと悩んだりしましたが、Debianなら食い合いにならず一緒にやったメリットも出せるんじゃないかしらと。ディストリビューションのコミュニティだとデスクトップユーザーもいるし、実際日本語チームにもDebianユーザーはいるのでいいよねと。
本当はプログラムをあわせた形で共同にやれればいいなーとか夢想したのですが、何しろこちらは企画スタートが遅かったこともあってプログラムとかの決めごとが後手後手になっており、到底すり合わせながら一緒にやるのは無理でしょうと。
でも懇親会ぐらい一緒にできてもよくないかな、そしたら双方の参加者と交流もできていいよねということ決めたのでした。
こちらについては @koedoyoshida さんに大変にお世話になりました。また、前回miniconfに引き続きアイクラフトさんからスポンサーをという話をいただきましたが、アイクラフトさんのLibrePCはUbuntuベースなのでDebianと共同開催の懇親会をスポンサーいただくのは理にかなってていいよねということで、今回もまたお願いしました。美味しい生ビール*2 ありがとうございました!
次回一緒にやるとしたら、もっと準備早めにしてプログラムもあわせて行きたいなー。
実行委員?
LibreOffice Kaigiは「LibreOffice日本語チームpresents」ではなくて、日本語チームの一部のメンバーが中核にはなっているけれども、基本的には広く運営をお手伝いいただける方を募って、運営チームとして活動するのがいいんじゃないかなと思ってます。改めて合意をとったわけではないですがだいたいみんな同じ考えじゃないかな。
私がKaigiについてのポストをメーリングリストに投げるときに、日本語チームではなくて「LibreOffice Kaigi 2016.12実行委員」みたいな肩書を名乗っていたのはそういう気持ちの現れです。
そんなわけで企画からお手伝いいただける人募集を早めにかけたかったのですが、そもそも募集するにも「具体的になにやんの?」がわからないと応募のしようがなかったのかなーと思ったり。
ので、Twitterで:
12/10(土)に開催されるLibreOffice Kaigiの運営を手伝ってくれる人をこっそり募集中だよ。例えばイベントバナーを作るとかが明らかにやれる人がいないタスク #LibOJP
— Naruhiko Ogasawara (@naru0ga) 2016年10月14日
とか雑に募集したら @keikakomura さんに手を挙げていただきステキなバナーをデザインしてもらえました。やれありがたや。
イベントバナー designed by @keikakomura さん
そして @nogajun さんにはこれまた素晴らしいイベントTシャツをデザインしていただきました。やれうれしや。
Kaigi Tシャツ designed by @nogajun さん。撮影Franklin Weng
アートワーク周りは何をどう発注していいのか全然理解してなくて納期設定もめちゃくちゃでホントに申し訳ないこといっぱいしました。そんななかとってもイイ感じのものをいただけてありがたいでございます!
また当日のお手伝いも応募しましたところ4名の方にお手伝いいただきました。お名前出していいとか確認してなかったので全員の名前は列挙しませんが、会場案内係にタイムキープに写真撮影とさまざまに手伝っていただけて大変に助かりました。御礼申し上げます。
しかし本当はもうちょっとイベントそのものの企画から入ってくれる方が増えるとうれしいんですけどねえ。どうしたもんか。
イベントの取り回し
Kaigi運営の中核をやっていたLibreOffice日本語チームのメンバーは色んなところに散らばっているので、当然、普段の話し合いもネット越しです。
日本語チームは週に1回、Googleハンドアウトでチャットミーティングをしています。しかしチャットというのは会話が流れていってしまうのですが、議事録取ったりするのもそれはそれでめんどうだし、ミーティングをやってないときに「あ、そうだこれをやらなきゃ」と思ったときにどこかにメモっておかないと忘れちゃいます。
そんなわけでカンバンシステムであるTrelloを併用したりしています。使い方はシンプルに「アイディア/TODO/DOING/DONE」を用意して、そこにカードを配置していく感じ。厳密にカンバンで回しているわけではないので運用は適当です。
というのはKaigiに限らない日本語チームのやり方ですが。
しかし前述の通りイベント企画は外部の人も参画するわけで、外部の人が参加できないハングアウトチャットだけで意思決定するのはよくないねということになり、ありがちですがslackを立てました。slackでも参加しないと議事が見られないのですが、まあさすがにスタッフでもない人に公開する必要はないのかなーと。
今のところslackは今年に限らず「LibreOffice Kaigi」で一つのチームです。チャンネルとして #2016_12
というものを作っています。パブリックチャンネルなので一度お手伝いいただいた方は全部の内容が見られますが、それはまあいいでしょうと思っています。
とはいえ今回は外部メンバーがそもそも少なかったこともあってだいたいほとんどの話し合いはハングアウトでやっちゃいましたね。やや反省。
色んなサービス便利だからといって使いたがるのは私みたいなオタク気質のやつだけで、多くの人はslackとかTrelloとか普段はブラウザのタブで開けてないしスマートフォンにクライアントを入れているわけでもないんですよね。そうするとコアメンバーが確実にいるところというと日本語チームのハングアウトになってしまう。
ちょっと横入り:Trelloの使い方
実はTrelloを初めて知ったのは2014年のopenSUSE.Asia Summit 2014 Beijing*3のときです。
そのときは上の分類以外に「Front Banner」というのがあって、要監視項目的なものはそこにおいて、週次のチャットミーティング(openSUSE.Asia SummitではIRC)では:
- Front Banner>DOING>TODOの順に見ていく
- 忙しい人はとにかくFront Bannerだけでも議事に参加
- 全員がTrelloアクセスできるわけではないので、「Trelloのカードをチャットにコピーする役」が立って、とりあえずの議論はチャットだけ見ていれば分かる
- 結論はその場でTrelloに転記してステータスも動かす
みたいな回し方をしてました。
これいいなーと思ってマネしたかったりしたのですが、実のところ日本語チームだとTrelloと関係なくダラダラ話してることが多くてあんまりちゃんと活用できてません。
まあ備忘録として使う分には機能してるのでいいのかな。でも前述のようにTrello見られてない人も多いので、チャットへのコピペの運用だけはやりたいんだけど……なんかうまくいってないですね。
日本語チームはあんまりきちっとやり方決めるとかそういう組織ではないってことはあるかもしれないです。
以下TL;DR
続きを読むLibreOffice Advent Resources
この記事はLibreOffice Advent Calendar 2017の8日目の記事になります。
打ち明けた話をいうと明後日はLibreOffice Kaigi 2016.12 *1 でして、まったく発表準備できていないので時間がなく、今回は(も?)手抜きです。
技術系アドベントカレンダー的なものが海外にあるのかどうか不明、みたいな発言をTwitterで見た記憶があるのですが、LibreOfficeを支える非営利団体であるThe Document Foundationでは、クリスマスまでの毎日、ひとつずつの記事を更新する「LibreOffice Advent Resources」というシリーズをThe Document Foundation Blogで連載しています。去年もAdvent Tipsって連載があったので、アドベントカレンダー的に記事を連続投稿するというのは日本に限った話ではないのかな。
今日までの連載を紹介すると:
- #1: TDF/LibreOffice Press Clippings
- scoop.itというサービスでTDF/LibreOfficeに関する記事を集めよう
- #2: TDF/LibreOffice Press Releases
- TDF自身が出しているプレスリリースについて。その多くが日本語でもアナウンスメーリングリスト経由で読むことができます
- #3: ODF Guidance by UK Cabinet Office (1)
- #4: ODF Guidance by UK Cabinet Office (2)
- イギリス政府が今現在ODFを公式文書フォーマットにしていることはご存知かと思いますが、そのイギリス政府が公開しているODFについての各種ドキュメントを紹介
- #5: LibreOffice Old Releases
- 古いバージョンのLibreOfficeを取得する方法
- #6: Getting Involved in Development
- #7: Tutorials for Teachers by B.J. Poole
- 教員向けLibreOfficeチュートリアルの紹介。これは面白そう
続きも楽しみですね!