おがさわらなるひこのオープンソースとかプログラミングとか印刷技術とか

おがさわらなるひこ @naru0ga が技術系で興味を持ったりなんだりしたことをたまーに書くブログです。最近はてなダイアリー放置しすぎて記事書くたびにはてな記法忘れるのではてなブログに移行しました。

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LibreOffice mini-conference 2017 Japan (in openSUSE.Asia Summit 2017 Tokyo)

もう一月近く経ってしまったのですが、10月22日に、LibreOffice mini-conference 2017 Japanというイベントをやりました。参加いただいた皆様ありがとうございました。

このイベントは、10月21日、22日に、調布の電気通信大学で行われたopenSUSE.Asia Summit 2017 Tokyoの「イベント内イベント」です。

昨年末に行われたLibreOffice Kaigiが「日本語ユーザーによる日本語ユーザーのためのイベント」であり、それを象徴するように日本語の「会議」から名前を取って「Kaigi」にしましたが*1、「mini-conference」は、ヨーロッパの年次会議LibreOffice Conferenceのように、グローバルなカンファレンス(だけれども地域的)というのを目指したイベントです。

正直な話、LibreOfficeの日本コミュニティだけで国際イベントをホストするのは難しいけどやりたいなあと思っていたところ、openSUSE.Asia Summitの手伝いをすることになったので*2 じゃあ一緒にやりましょうということにさせてもらいました。

幸いなことにThe Document Foundationから「登壇者の旅費を補助していいよ」と言ってもらったので、シルバースポンサー扱いとさせてもらいました。日本、台湾、インドネシアと3カ国、6人の登壇者+LTと、まあなんとかmini-conferenceとして格好がついたと思います。ありがたやありがたや。

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オープニングトーク: "LibreOffice: The Office Suite with Mixing Bowl Culture"

私のトークです。

実行委員としてCall for Proposalの告知を出して、はーやれやれと思ったところで「当然、トーク応募してくれますよね?」「うーんでも最近あんま活動してないから取り立てて面白いこと話せないからなあ」「でも、今回はopenSUSEのイベントなので、openSUSEな人たちにLibreOfficeってどういうものかをちゃんと説明するような講演があってもいいと思いますよ?」「うーんそれなら、TDFのオフィシャルプレゼンを眺めながらなんか提案作れるかも」ってことで題材を決めて話したものです。

TDFのオフィシャルプレゼンというのは↓

File:Final-libreofficeintro.odp - The Document Foundation Wiki

これで、このスライドの中で「Umbrella Culture」と「Mixing Bowl Culture」という図があって、おおこれ、と思ってタイトルにいただきました。

自分がなんでLibreOfficeというプロジェクトに関わり続けているかというと、このプロジェクトはやっぱり「何かやろうとする人に対しては優しい」ことなんだよなあと思うのです。誰でも参加できるんだよ、誰が特別ということはないんだよ、ということを表すいい言葉だなーと思ってですね。

別に新しいことを何かお伝えするプレゼンではなかったですが、自分なりに言わんとしていることは表現できたかなー、とちょっぴり自画自賛。ただ、昔からこのプロジェクトに関わってきた人には少しつまらなかったかもしれません。それはしょうがないね。

”The Interoperability of Documents" by Franklin Weng

前日の「TDFメンバーになろう!」というLTが超ウケていた、台湾のFranklin Weng氏によるプレゼン。

「最初はODF vs. OOXMLという内容を話そうと思っていた。しかしそれよりも重要な視点があることに気づいた。文書の相互運用性についてだ」

という口切りから、彼らしい話術で時には笑いを誘いながら、デジタル時代の文書作成において相互運用がどれだけ大事であるか。「ドキュメントの相互運用とはドキュメントを交換できることではない。共同でよりよく作業することだ」。そのためにはODFのようなオープンな標準を用い、スタイルなどの機能を適切に用い、オープンなフォントを用いること。

「国際標準フォーマットという意味ではOOXMLもISO標準ではないか」という点についても、仕様の安定性、シンプルさなどの点からODFのほうが優れているということを、最新のLibreOfficeで作成したプレゼンテーションをLibreOffice 4.0という非常に古いバージョンで開いても正しく開けるというデモを交えて説明していました。

ドキュメントの相互運用性という視点は、たまたまではありますが、今回のmini-conferenceを通したテーマになっていたと思います。さすがのFranklin、非常に面白い内容でした。

"State of CJK issues of LibreOffice" by Shinji Enoki

今年イタリアはローマで行われたLibreOffice Conferenceの参加者シャツ*3 を着て登壇したLibreOffice日本語チームの榎さんは、ローマで行ったプレゼンの再演として、LibreOfficeのCJKに関する問題についてまとめたプレゼンを行いました。

The Document Foundationの「Next Decade Manifest」に、つぎのような表現があります。

私達の立場:
すべての人が、私たちのオフィススイートを母国語に翻訳し、母国語で文書化し、母国語でサポートし、母国語で普及ができるようにして、母国語の保護を支援します。

この立場に立って考えると、我々日本語話者が母語*4 である日本語でオフィスソフトを使うためには、単にUIが翻訳されているというだけではなく、日本語……それに限らず、中国・台湾・韓国……つまりCJKが正しく使えることが大事なのです。 ですが、自分自身の使っていない言語について「正しい」かどうかを判断することはとても難しいので、CJK文化圏で協力して、自分たちで不具合を直し、機能を正しく実装していくことが大事です。

ですので、現状はどうなっているのかをまとめて、共有していくという、榎さんがやっているような活動はとても大事です。

当然、グローバルなコミュニティとしてもその重要性は理解していて、[META] CJK (Chinese, Japanese, Korean, and Vietnamese) language issuesという「メタバグ」や、TelegramのLibreOffice CJKというグループがあったりしますので、このプレゼンで興味を持たれた方はチェックしていただけると嬉しいです。

"Introduction to Japanese Darkness "Excel Houganshi"" by Rin Nakamura

Excel方眼紙」を題材にしたプレゼン、というだけで面白さが保証された内容をお話いただいたのは、関西LibreOffice勉強会などでおなじみの中村さん。豊富な実例を交えてExcel方眼紙の何がよろしくないかを話していただきました。たくさんの笑いどころが含まれたプレゼンで大変に面白かったです。

面白おかしいだけではなく、Excel方眼紙を読みやすいドキュメントにまとめるライブデモは見ごたえがありました。

先程の繰り返しになりますが、ドキュメントの相互運用とは他人との作業の協調である、という視点から考えると、Excel方眼紙は最終的な見た目だけしか考えておらず、相互運用という意味ではまったく劣ったドキュメント形式です。「道具は正しく使ってください」という中村さんのメッセージは、当たり前にも聞こえますが、今回のmini-conferenceにおける最も重要なメッセージだったと言えるのではないかと思います。

"Write Your Story with OpenSource" by Umul Sidikoh

インドネシアの若き女性オープンソース愛好家、Umulは、Writerの機能を使って長文を書くテクニックについて、実演を交えて話してくれました。

正直なお話、もうちょっと内容については詰めておけばよかったかなあと後悔したりもしましたし、デモを交えてお話するのは少しチャレンジだったかな……? という印象を受けましたが、彼女にとってはこれが初の海外なのだそうで、若い人にそういうチャンスを上げられたということで、それは良かったと思います。できれば、今後ともインドネシアの他のLibreOfficeコミュニティメンバーともコンタクトをうまくとって、活動を継続してもらえたらなと思います。

彼女のテーマであるWriterの機能をちゃんと使って文章を書きましょうという話は、ドキュメントの相互運用性を高めるために道具を正しく使う……という視点で筋が通っていて、そういう意味で(別にそういう示し合わせがあったわけではまったくないのですが)mini-conferenceの一つの講演としてよかったです。

"How to build LibreOffice on your desktop" by Masataka Kondo

LibreOffice日本語チームの近藤さんは、「自分のデスクトップでLibreOfficeをビルドしてみようよ!」というプレゼンをしてくれました。

オープンソースなのだからまずはビルドから初めてみない? というのは、mini-conferenceの締めくくりにふさわしいトークだったと思います。

私はUbuntuなので apt-get build-dep libreoffice してから、configureしてコケたメッセージをみながら足りない部分をちょこちょこ入れていくという手順でやっているのですが、ゼロから足りないモジュールを探していくのも勉強になるかもしれないなあと思いながら聞いていました。

Franklinから「dockerを使えばビルド環境をかんたんに構築できるんじゃないか?」といったコメントも出ていました*5。これについては私も試してみたいですね。

そして二つのLT

アイクラフトさんでインターンをしている、Mohamed TRABELSIさんとAschalew Arega Ademeさんが、LibreOfficeについてのLTをしてくれました。チュニジアエチオピアという、それぞれの国の事情がわかって非常に興味深いLTでした。

まったくまとまっていないまとめ

いろいろ大変で、しばらく燃え尽き症候群でぐったりしていましたが、思ったよりもずっといいイベントになったかなーと思います。

登壇してくれた、参加してくれた、手伝ってくれた皆様、本当にありがとうございました!

f:id:naruoga:20171119222828j:plain インドネシアのEdwin Zakaria氏による、登壇者・関係者全員によるグループフォト@LibreOfficeブース

*1:もちろん、RubyKaigiのリスペクトというのもあります。

*2:自分でも不思議なのですが、私openSUSE.Asia Summitの実行委員に、2014年の初開催時から入れてもらっているのです。大変名誉なことでありがたい。

*3:これがなかなかカッコよくて、行けなかったのがぷち悔しい……。

*4:私個人としては、mother tongueの訳語としては「母語」が好みです。

*5:https://github.com/FreeSoft-AL/libreoffice-compile こちらに情報があるそうです。

ぼくのなつやすみ - OSC京都からCOSCUP、台湾観光など -

ちゃんと書いてなかったけど口頭では色んな人に言ってたしSwarmで居所垂れ流してたので知ってる人は知ってるでしょう。8/4から夏休みをいただいてOSC京都からCOSCUPをはしごして台北を観光してきました。

OSC京都

OSC京都は久しぶりに金曜日から参加。だいこん行きたい!ってワガママを言ったらアレンジしてくださって感謝感激。だいこんも天然記念物だなあ。残りの人生であと何回行けるだろうか……。

相変わらずLibOのブースで自前でビルドしたLOOLのデモしたり最新5.4の機能紹介したりしてました。ブースの手伝いするよと事前に一言も言ってないのに勝手にデモ機を置いたりして酷いやつです我ながら。

お隣のアイクラフトさんでNextCloudと組み合わせてちゃんとネットワークの向こうに置いたLOOLのデモをやってらしたので、こっちはややギーク目な解説に振ってみた(実際の使い方は隣を見てってねと誘導)のですが上手く住み分けできてましたかねえ。というか、隣のブースなのにちゃんと挨拶もしてなくてすみませんすみません(人見知りなもので)。

OSCのアンケート見たら「LibreOfficeのブースが面白かった」ってのがひとつだけあったのですが、アイクラフトさんのブースの方が明らかに客付きがよかったのでそっちの可能性が高いですね。まあでもこちらのとしては楽しかったです。

あとUbuntu KRのDrake Songさんのお話は面白かった。

COSCUP

土曜日8/5は展示の片付けまでは手伝って、懇親会を(残念ながら)パスして関空に移動して台北まで。夜中でも普通にバスが動いててびっくりしました。

で、日曜日だけCOSCUPに参加。ずーっと参加したいしたいと思っててようやっと。実は行こうと思ったときにはすでにチケット完売してたので、台湾LibOコミュニティの牽引役で何かとお世話になっているFranklin Weng氏にお願いして入れてもらいました。ワガママ言ってごめんね。

中国語はまったくわからない(いや英語もあんまりできませんが)ながらもスライドは英語だったし、プログラミング系はコードは各国語共通なので楽しめました。OSSコミュニティについてのトラックとかも興味を惹かれたんだけどきっとハイコンテクストすぎて難しいかなと思い断念。

すごい熱気があるのと、なにより若い人がいっぱいいてうらやましいなって思いました。開発系のコミュニティ(RustとかGoとか)が混じっているからかしらねえ。

次回は可能なら土日、ちゃんとチケット取って行きたい。できれば発表とかもしたいな。

観光とか

あけて月曜日8/7はホテルを出てふらついていたら総督府とか中正記念堂とかの方に出たのでそのまま見学。記念堂の展示、勉強になったけど、なんというか、気持的に微妙だなと思いました。それから台北101に出てごはんたべたり展望台に上がったり。一旦ホテルに戻ってから北門を見たり。くたびれたけど楽しかった。

そして夕方はItalo Vignoli氏と台湾コミュニティのミートアップに混ぜてもらう。場所はMozilla TWの持つハックスペースで、電気街の雑居ビルにあってなかなかおもしろそうな場所。

いろんな議論は興味深かったです。このイベントについてはリンク先参照のこと。あと、月曜の夜という時間にも関わらずすごい沢山の人が集まっていてすごいなって思いました。

そして、イベント後にLibOのCJKバグをたくさん修正しているMark Hung氏と一緒に食事に行き色々と話す。CJKバグを直してみたいって思った場合コードのどこ参照すればいいとかってある?って聞いたら「OOoの開発Wiki。あとはカンタンなバグを直して、またもう少し難しいバグを直しての繰り返し。近道はないよ」っていわれました。そりゃそうだ。それとやはり台湾コミュニティでも若者はデスクトップアプリケーションに関心をあまり示さないようで、他の国、例えばヨーロッパとかはどうやってるんだろうねえって話をしたりもしました。

8/8はスーパーマーケットに行ってオミヤゲのインスタントラーメンを購入後、前述FranklinがItaloと一緒に故宮博物院に連れて行ってくれました。素晴らしい美術品の数々でぼくの語彙ではとても表現できないんだけど、「いやー君はなんで白菜をこんなに美しく作る必要があったのかね?」とは思いました。すばらしい。私のフライトがちょっと早めだったのでみんなを早々に切り上げさせてしまったのが申し訳ない&自分としても残念。ぜんぜん時間足りなかった。また行きたいな。で、松山空港まで送ってもらって解散。

ちょっと日程が(思ったより)カツカツで夜市とか行けなかったりあんまり台湾っぽいものを食べられなかったりしたのは残念なんだけど、まあこれも次回に行く機会ができたと思えば……ね。

そんなわけで、現地でお世話になった皆さん、日本でお休み快諾してくれた皆さん、ありがとうございました。

写真は北門公園の夕暮れ。

参考記事:Italo Vignoli氏の台北報告。

blog.documentfoundation.org

寄付:質問とその回答(TDF Blogの翻訳仮置き場)

※この文書はThe Document Foundationによる “Donation: questions and answers” の参考訳です。 訳したのはよいのですが置き場所がないので私のブログに仮置き。公式っぽい場所を検討しております。

あと、かなりエイヤーで訳したので、適切でない部分もあるかもです(そもそも、何度も書いておりますがワタクシあまり英語が得手ではありませぬ)。編集途中のバージョンのリンク(Google Docs)置いておくので、コメントよろです。

寄付:質問とその回答 - Google ドキュメント

続きを読む

執筆報告など(Ubuntu 17.04のドライバーレス印刷関係)

ごぶさたさまです。珍しくメディアに執筆をしたので宣伝的なエントリー。Amazonなリンクはアフィなので嫌な人は踏まないでね。

どっちもUbuntu 17.04注目の?新機能、ドライバレス印刷についての記事です。

5月24日、gihyo.jpの人気連載Ubuntu Weekly Recipeに次の記事を書かせてていただきまして、

gihyo.jp

ついで、本日発売(だよね?)の日経Linux 2017年7月号の特集2「新登場! ここが変わった! Ubuntu 17.04 徹底解説」に、Ubuntu Japanese Teamのみなさんに一人混じって*1 2ページ書かせていただきました。

日経Linux執筆裏話。

裏話というほどのものでもないですが。

日経Linuxさんで、Ubuntu 17.04の特集が企画されているけど、印刷関係の機能も紹介したほうがいいと思うので、2ページほど書けますか? と、本特集のとりまとめをしていた……名前書いていいのかな……とかもったいぶっていたらご本人から表明がありましたが、あわしろいくやさんからご連絡をいただいたのがきっかけです。

紙媒体と電子媒体という違いもありまして、公開はRecipeのほうが先ですが、そもそもは日経Linuxさんのほうが先だったわけです。

17.04といえばドライバーレス印刷で、それからUnity8でも印刷機能がちゃんと動くようになったよ! という(密かな)ウリがありまして、それを書かせていただけるのは光栄だなあと思いお引き受け。最近いろいろアクティビティ下がってますけど、2ページぐらいなら書けるかなと。

私、一応メインの個人PC環境はずっとUbuntuで、昔はベータぐらいの段階で do-release-upgrade してずっと最新を追いかける生活をしていたのですが、なんか色々気力がつきてしまい、16.04で止まっていました*2

でも記事を書くとなればやっぱネイティブ17.04の環境がほしいなあって思いまして、重い腰を上げて秋葉原SSDを買って、17.04をインストールしたのが4月下旬。ぼやぼやしてると5月ではないか。締め切りすぐではないか。やばい。

そんなわけで、まずはドライバーレス印刷から試そう! と、昨年6月に今のアパートに転居したときに箱にしまって、そのままにしていた

を取り出しまして、コンセント繋いで電源ON! ……ん? なにこのエラー? E3?

本製品の液晶画面に表示されるエラー番号について | ブラザー

E3: 基板に異常が発生しています。

これはあかんやつなのではないか。あわわ。プリンターが壊れていたら記事が書けないではないか。

いやまて、もう長いこと新しいプリンター買ってないし(調べたらDCP-J940Nを買ったのは2012年……もうそんなになるのか)。これは買うよい口実では。

ということでいそいそと新橋のヤマダに行って買ってきました。

前述のRecipeで、エプソンにしたのはいくやさんの書いた過去のRecipeの機種選定理由と同じと書きましたが、それは本当です。私はプリンターマニアっぽく思われてますけど基本プリンターは投げ売りしか買ってないので、2万円弱もする高級品を買ったのは多分20年ぶりですが、エプソンは投げ売りをしないので(よいことです)しょうがない。

まーそんなわけでさくっとWi-Fi繋いだらその瞬間からUbuntuのプリンターアイコンが追加されてて、印刷!ってやるとシュシュシュって紙が出て……すげー! 感動。

が、あれれ? カラーで出ない。なんで? と思い色々調べたって内容はRecipeに書いたので、ここでは割愛。 書いた内容は記憶をたどって書いたので実際とはまったく同じではないですが、誇張なしです。

ともかく、ドライバーレス記事は書けるようになったので、ざくっとまずは使い方HowToを書いてみた……ら。 分量的に全然つらいです。Unity 8の印刷? ごめん、入らないですね……。

最初は:

  • 基本となる使い方(ってつなぐだけで使えます以上のことはないんですけど)
  • 動作原理の概説
  • 実際の動きを説明

みたいなストーリーを考えてたんですが、全部書いてみたらまったく字数オーバーで、実際の動きを説明する部分はお蔵入り。 それでも大きくアフレてしまい、編集さんにはお手数をおかけしました。

結果としてはまあまあうまくまとまったんじゃないかな? と思います。

Recipe裏話

で、まあ、執筆のさなかにUbuntu 17.04リリース記念オフラインミーティング17.05がありまして、本編は事情があって出られなかったのですが二次会にだけ混ぜてもらいました。

そこでダラダラと雑談してるときに、

「いやー日経さんの記事書こうと思ったらプリンター壊れてて大変だったんすよー」 「印刷してみたらモノクロしか出ないし」 「で、色々調べて、こうこうこうだなって思って」 「どこで報告すっかなーってこうこう考えてレポートして」 「案の定Tillが拾ってMikeと相談して、今どうしようかって相談してるぽいっす」

みたいなことを話したら、「その話面白いですよ、Recipeに書いてください」と言ってもらい。

そんな内容でよいのであればということで書いたのがあの記事です。

Recipeでは流石に他誌に書くためにプリンター買ったとは書けない?ので自発的に買ってきたみたいに書いてますが、それ以外はさっきも書きましたが、ほぼ掛け値なしに本当の内容です。

これも繰り返しですがこの内容のほうが先に公開されてしまうので、書き方は少し気をつけました。Recipeと銘打っているにもかかわらず、レシピ的ではなくて時系列な「お話」にしようというのは最初から考えていたことです。日経Linuxの原稿で書いたけどお蔵入りした、実際のドライバーレス印刷はどう動いているか的な話は、この記事ではトラブルシュートの道筋として書いていますので頭に入りにくいかもしれませんが、それは意図的です。成功しているかどうかはわかりませんが。

両方公開された今、メディアミックス的に両方の記事を楽しんでもらえたらなー。と、思います。

Unity8の印刷

完全にボツになったUnity8の印刷ネタですけど、下回りは通常と同じですし、設定画面は普通にsystem-config-printerが動いてるだけだったので、まあ省略してもいいかな?と。

未来への宿題

この二つの記事を書く途中に

eng-entrance.com

この記事にあたったんですけど、ちょっと色々と誤解を生みそうな記事だなあと思ったので、いつか解説を書こうと思います。

*1:p.56特集トビラのクレジットにて、私だけチーム外でちょっとおかしかったです。

*2:世間の皆様のように勉強熱心ではないので、PCは一台、Thinkpad X220しか持ってなくて、それを新しくし続けるのはちょっとエネルギーがいるなあって思ったのです。楽しいんですけどね。

LibreOfficeの新しいUIコンセプト「MUFFIN」について

Facebook「LibreOffice(日本語)」ページにアナウンスとして書いたらちょっと長文になってしまったので、もったいないのでこっちに転記します。

LibreOfficeを支援する非営利団体The Document Foundation(TDF)により、LibreOfficeの新しいUIコンセプトである「MUFFIN」が発表されました

MUFFINはMy User Friendly & Flexible INterface(私のユーザーフレンドリで柔軟なインターフェイス)の略ということになっていますが、まあ、正直なところこの手の頭字語の常で、強引な点はご容赦ということで。

でも、この単語はそれぞれMUFFINのコンセプトを表すキーとなっています。以下ざっくりとした訳。

  1. My(私の): LibreOfficeユーザーは「個人的な(personal)」UIを手にします。ユーザーの個人的な習慣にあわせることができる選択肢がそれを可能にします。選択肢のない唯一のUIではなく。
  2. User Friendly(ユーザーフレンドリ): もちろん、どんなUIも可能な限りユーザーフレンドリであるべきですが、LibreOfficeのユーザーはずっと「モジュラーな」UI、ユーザーフレンドリーさの段階を自分で設定できるUI、を求めてきました。選択肢のない唯一のUIではなく。
  3. Flexible(柔軟な): 異なる性格や画面サイズ、解像度を持つ異なるハードウェアプラットフォーム(つまりデスクトップとラップトップ)で利用するLibreOfficeユーザーが増えてきて、実際の画面に併せて変更できるUIを求めてきました。選択肢のない唯一のUIではなく。
  4. INterface(インターフェース): MUFFINのコンセプトは、LibreOffice 5.3から、標準あるいは実験的機能として提供された異なるUI要素の組み合わせです。デフォルトのUI(ツールバーあり)、シングルツールバーUI、シングルツールバーありのサイドバー、新しい「ノートブックバー」(実験的機能)。それぞれのUIレイアウトはLibreOfficeユーザーのそれぞれ異なった集団向けとして考えられています。

私の理解では、現代の文脈では「選択肢のない唯一最高のUI」を提示することがよい、とされていると思っています。それは一面において真実だとは思うのですが、どことなく「唯一最高のものを提示して与えてあげる」というところに独善的な匂いを感じることも事実です(その独善性こそがよいというのも、もちろん認めますが)。

一方で個別的であること、自分の好きなようにカスタマイズできることは、オープンソース的で開かれたシステムを志向していて、好感が持てると個人的には思っています。各段落で「選択肢のない唯一のUI」を否定しているのは、「その立場は立場として、我々は選択肢を是とするよ」という宣言だと私(小笠原)は考えています。

「実験的な機能」として提供された「ノートブックバー」*1 はタブ付きのツールバーのようなもの(リンク先スクリーンショットを参照)で、いわばMicrosoft Officeの「リボン」的なUIです。

LibreOfficeMicrosoft Officeの互換品ではないので彼らのUIデザインを踏襲する必要はない派、そうはいっても置き換えとして使われることが多いのだからUIデザインを合わせるべき派というのはそれぞれにおりまして(個人的には前者)、後者の意見を尊重しながらも、安易な真似にならないよう*2 にUIコンセプトとして提案するという努力は買いたいと思っております。

上のざっくり訳にも書いたとおり、現在開発中のLibreOffice 5.3から「ノートブックバー」をお試しで利用することができます。[オプション]>[詳細]にて[実験的な機能を有効にする]をオンにした上で、[表示]>[ツールバーレイアウト]>[ノートブックバー](翻訳はまだ適用されていないかも)。

まだまだ使い物になるレベルではないですが、味見してみてもいいと思います。「こうしたほうがいいんじゃないかな?」みたいな提案もどんどんとしていきましょう。

*1:部分的に訳があてられてますが、単にカタカナで呼ぶべきかどうかちょっと検討したいです。

*2:仔細に議論は追ってないですが、海外の掲示板などで「ノートブックバー」の導入についてはけっこうフレームしているらしいです。

Document Liberation Projectについて

この記事はLibreOffice Advent Calendar 2016 12月17日の記事です*1

LibreOfficeをホストする非営利法人The Document Foundationのもう一つのプロジェクトであるDocument Liberation Project(ドキュメント解放プロジェクト、かな?)についてはあまり日本語の情報がないと思いますので、ちょっと紹介しようかなと。今回はあくまでもあっさりした紹介です。

英語に拒否反応がない人ならこのビデオを見るのがいいかもしれません。字幕付きなのでヒアリングがダメな人(私のことだ!)でも大丈夫です。

www.youtube.com

大雑把にいうと、プロプライエタリなドキュメント形式を読み込むインポートフィルタを開発し、それを、よりオープンなドキュメント形式で保存することで、ユーザーの知的財産であるドキュメントを「解放」しようというプロジェクトです。開発されたインポートフィルタはLibreOfficeでも用いられていますし、他のプロジェクト(たとえばInkscapeScribusCalligra)などでも用いられます。

今日のところは、Document Liberation Projectの傘下にあるプロジェクト群を単純に列挙します。

基盤ライブラリ

ライブラリ名 内容
librevenge 他のすべてのライブラリの基礎となるもので、ドキュメントインタフェースと共通型を提供。またいくつかのフォーマット(プレーンテキスト、HTML、CSVSVG)へのエクスポートも提供

エクスポートライブラリ

ライブラリ名 内容
libodfgen ODF エクスポートライブラリ
libepubgen EPUB エクスポートライブラリ
librvngabw AbiWordエクスポートライブラリ

インポートライブラリ

ライブラリ名 内容
libwpd Corel WordPerfectインポートライブラリ
libwpg Corel WordPerfectグラフィックスインポートライブラリ
libwps Microsoft Worksインポートライブラリ
libmwaw たくさんの古いMacドキュメントインポートライブラリ
libabw AbiWordインポートライブラリ
libcdr Corel Drawインポートライブラリ
libmspub Microsoft Publisherインポートライブラリ
libvisio Microsoft Visioインポートライブラリ
libetonyek Apple Keynote/Pages/Numbers インポートライブラリ
libfreehand Aldus/Macromedia/Adobe FreeHand インポートライブラリ
libe-book たくさんの電子ブック用インポートライブラリ
libpagemaker Adobe PageMaker インポートライブラリ

現在使われているドキュメント形式だけでなく、ちょっと懐かしい感じなものもあります。たとえばlibmwawはクラシックMacのMacWriteなどをサポートしていたり、libe-bookのサポート形式にはPalmで広く使われていた電子ブックフォーマットのPalmDocがあったりしています。

このように、すでにベンダーによって見捨てられたデータ形式であっても、Document Liberatoin Projectの成果物によってよりモダンなフォーマット(=ODF)として蘇らせることができるというのがこのプロジェクトの意義だったりします。

本日はひとまずさわりだけですが、技術的な面もご紹介できたらなーと思います。

*1:書き始めたのが25日の夜10時半であることは考えないことにしましょう。

開催側から見たLibreOffice Kaigi 2016.12(後編)

そんなわけで後編。前編はこちら。今度は発表周り。

当日の雰囲気はこんな感じ。会場おしゃれでしょ。撮影は多分わたくしの携帯

Franklinを呼んだ話

前回は基調講演者に吉田浩平さんを呼んだので、今回はどうするか。うーん。みたいな雰囲気になったときに、これまた安部さんが「台湾から人を呼ぶのはどう?」と。

台湾は現在、政府の共通文書形式としてODFを採用しようという活動をしています。この点でもLibreOffice Kaigiにはふさわしい。それに限らず台湾はオープンソース系の活動が盛んでもあるし、日本と同じ、漢字を使い縦書きもありルビも使う。できればつながりを密にして、一緒になにかやっていきたいと思っていたのはそうです。

で、台湾からまず人を呼ぶとしたら、LibreOffice Conferenceで仲良くなったFranklin Wengがまず上がります。弁も立つし外交的だし活動的なので、多分日本から招聘したら喜んできてくれる。とは。思いました。

けど、ひとつ引っかかったのは、彼は日本語はまったくわからないんですよね。台湾には日本語を勉強している人もいて、昨年のopenSUSE.Asia Summitに行ったとき、ときどきすごい流暢な日本語で話しかけられてびっくりする経験をしたのですが、彼はそうではない。

えー。彼なら適任だけど通訳どうしよう。私は実力的に無理だし頼めそうなあてはないしお金はないし、みたいなことを言ったら、「いや別に英語で大丈夫じゃないですか?」と。うーん。大丈夫かな。どうなのかな。大丈夫じゃなかったらせっかく来てもらうのに悪いよな、とか色々考えたのですが、

  • 彼の話は絶対に面白いので、多少無理をしても呼ぶ価値も聞いてもらう価値もある
  • とにかく一度繋がっておけば、台湾と色々交流するチャンスも生まれるのでは
  • 仕事でやってるわけでもないし、自分たちが話聞いてみたい! と思うゲストを呼べばいい

などと考えて、では呼びましょう!ということになりました。

という話をFranklinにFacebookチャットでしたら、すごい感激してもらって。あーやっぱり声かけてよかったなと。

発表するFranklin。撮影近藤さん

早々にスライドももらったので、翻訳する余裕もできました。予告編を作ったりもしました。

招聘の旅費とか

(2016.12.23 20:26追記)

一個書き漏れていましたが、今回、旅費はThe Document Foundationのマーケティング予算から出していいよという許可をもらいました。ので、我々は一円も払っていません。ありがたいことです。

Franklin自身もTDFのメンバーなので、旅費精算は彼に直接お願いしてしまいました。ので、こちらがやったことは予算を使っていいですか、とお伺いを立てるメールのやり取りだけです。

ここらへんはシステム化していないので、手のぬくもりが感じられるメールのやり取りが必要になりますが、費用対効果をちゃんと説明すれば許可はおりるのでそんなに大変ではないです。

なお、実はLibreOffice日本語チームのようなNative Language Projectでも予算は確保されているはずなので、そちらの予算を使うこともできるはずです。手続きがよくわからないというのはあるのですが……。

スライドは英語? 日本語?

英語苦手な人(私もそんなに得意じゃないですけど……)のケアをどうする? というのも最後まで議論になったりしました。

実は、スライド日本語に翻訳したよ! と連絡したとき、それを投影するなら、日本語見ながらプレゼンする練習するけど、どう? とFranklinに言ってもらったのですが、私が断っちゃったのです。

わざわざ来てもらうのだったら話しやすいように話してもらうのが一番だなーと思ったのがひとつ、それから、個人的な体験としては、トークが英語のとき、スライドが日本語だと却って聞きにくいというのがひとつ。 二つの言語が脳内で処理できないんですよね。

で、日本語のほうを投影したほうがいいんじゃない? と直前にいわれて、いやそれは今更たのめませんよとちょっと不機嫌になってしまったり。 Franklinとの事前のやり取りは私が握ってたので、分かるわけないね。ごめんなさい。

日本語・英語を両方併記したら? という意見もあり、榎さんがわざわざ作ってくれたのですが、 これはちょっとスライドが読めなくなってしまい厳しいので、ボツにしました。

なので、翻訳を印刷したやつを配ればいいんじゃない、と思ったのですが、 なんだか評判がよくなくて。 どうやって配布するかめんどくさいとかいうのは分かるんですけど、積んでおいて欲しい人もっていってって言う分にはいいかなと思ったので、えいっとキンコーズで印刷して持って行きました。 そしたら、結局会場にいるみんなに配布してもらえました。

ただ、渡されたのはいいけど日本語が書いてるとは気づかなかった、とあとでいわれ少々がっかり。要らんかったのかなあ。

どうしたらいいもんなんですかね。技術カンファレンスなら、あるいはコミュニティが十分大きくてアクティブなそもそもインターナショナルなイベントなら、英語ぐらい頑張って聞きなよ、って言ってもいいかなって思うんですけど。

質疑応答難しい

会場にいた人、あるいはビデオ見た人は知ってると思ったけど、 質疑応答ぐらいは通訳とはいわないけど、まあ取り持ちぐらいはしようかなと思ってました。

そしたら最初の質問からしてどう言っていいのかさっぱりわからん。

台湾は今年政権交代があって総統が変わったけど、それによる影響は?

ごめん総統って英語でなんていうの? (今調べたら単にPresidentでいいみたい)ってところでアガッてしまい、 普通の英語も使えなくなってかなりヤバイ感じになりました。

結局会場みんなで、こうかな? ああかな? みたいに一緒に考えてくれたので、 結果オーライといえばいえるかなw

通常トーク時のケア

ちょっと失敗したなーと思ったのは、 Franklinの言葉をどう届けるかはいろいろ考えたし話し合いもしたのですが、 彼がイベントで話されている内容をわかってもらう手立てをぜんぜんできなかったことですね。

最低でもプログラムは英訳して渡せばよかったよ……。

本人は

「今日楽しかったよ、日本語は何言ってるのか全然わかんなかったけど、時々自分の名前だけが聞こえてくるのが」

とはいってたのですが、まあ、今日つまんなかったっていう人はいないよね。うーん。

公募トークとかパネルディスカッションとか

今回けっこう困ったのは30分のフルトークもライトニングトークも応募がほとんどなかったことです。

そんな中、妹尾 @senopen さんが手を挙げてくださったのはとてもありがたかったです。内容も充実で、まあ後からみて「こうしたらいいんじゃない?」みたいなのはあるのですが、それは最初に議論の種となるサーベイの結果があるからであって。懇親会でちょっとお話したところ「POSIX原理主義という理想を広めるために発表をしたかった」とおっしゃっていましたが、私自身がその理念理想に賛同するかはおいておいて、使える機会としてLibreOffice Kaigiを選んでくださったのはうれしいなーと思いました。

もうひとつチーム外から応募があった @nogajun さんの発表も妹尾さんのとかぶっていたのはこれは仕込みなし、本当に偶然。 タイトルだけ見たらあれ、被っちゃってるけどどうしましょう、って思ったりしましたが、内容を見ると妹尾さんのは相互運用、 @nogajun さんのはデザインとか使い方テクみたいな話で、同じ「スタイル」というテーマで視点が異なるので並ぶと却って面白いのでは、という意見で一致し、両方にお話お願いしましたが、本当にそういう分かれ方になってよかったです。

日本語チームの一員だからというわけではなくて安部さんに話していただけるのはとてもよくて、やっぱり日本在住の開発者は貴重ですからね。開発の話もっと聞きたいです。LibreOffice Conferenceだと聞けますけど、英語やっぱりしんどいし。

LTも身内ばかりになりそうだったので、同人誌「Linux User」の脱稿間際で忙しいことは重々承知で小江戸らぐ主宰の @hatochan を引っ張りこみました。おかげで内容も多様になって感謝感謝。

小笠原発表 "Make It Better Together: コミュニティを主体としたLibreOffice翻訳"

私のトークは、うーん枠余ってるなら翻訳のことでよければ話してもいいけど……みたいな消極的な態度でいたら、安部さんにぜひ、といわれて、安部さんにそういわれたら断れないので頑張りました。こちらスライド。

新規性がないネタではありますけど、グローバルプロジェクトとしてのLibreOfficeにおけるルールと、各言語翻訳プロジェクトの裁量になっている部分みたいな説明は一度やっておきたかったので。面白く思ってもらえたとしたら嬉しいな。

しかし、スライド作り始めたのが12/9(金)の会社の昼休み、夜の時点でまだ5枚しかできてなかったけどFranklinたちとご飯食べにいってしまい、帰宅してから頑張って作業したけど5時、あーつらい、15分だけと思って寝たら朝になっていて超絶焦りました。間に合わないかと思った……。

結局会場についてイベントが始まってからもスライド作っていて(登壇者の皆さんごめん!)、ギリギリ間に合ったー。やばかった。しかし練習を一回もしていない割には時間ちょうどでした。びっくり。

パネルディスカッション

こっちはもっと場当たり的でした。ほんとすみません……。

でも、思ったよりは盛り上がったんじゃないかとは思っています。パネリストの皆さんがやっぱり色々話題を持ってる人だったからというのはありますね。というか、それなのに司会がしゃしゃり出すぎてすみません。喋らないのも練習が必要ですね ><

パネリストの榎さんと大森さん。撮影はopenSUSEユーザ会武山さん

渡辺さんはビデオで参加。撮影近藤さん

少し時間を巻き戻してドタバタを。

前回miniconfのラウンドテープルはちょっと反省すべきところも色々あって、今回は違うことやらない? という話になり、パネルディスカッションがいいんじゃないかなーということになったのはいいけど、パネリスト候補として名前が上がる人の都合が色々とつかず困ったぞと、どんどん開催日が近づいて焦ります。

ダメ元でリモート参加で福岡の渡辺さんにお願いしたらいいんじゃない? と仮になったのが、直前12/7(水)のミーティング。裏でFacebookメッセージで打診して快諾いただきました。司会はやっぱり誰もいないので私がとりあえず持ちますということになり。お題を確定して後はオンラインでということに。

が、みんな何気に忙しくて打ち合わせも何もできずに当日。最初は各設問に対していのキーメッセージぐらい事前に集めてスライドに出そうかと思ったけど、どうせドタバタだしライブ感で勝負ということにしてナシに。

そして福岡とのつなぎ方を決めてなかったので、まずはリハやりましょうということで11時半ぐらいから*1。なんと、渡辺さんはヘッドセットの類をお持ちじゃなかったので、この日の朝に買いに行っていただいたのだそうです。ありがたや。

それからFacebookのチャットで:

「さて、接続方法は何がいいでしょう? Skypeとか?*2
Skypeってインストールの必要があるんでしたっけ。ビデオ会議やったことないのでわからないです」
「お、そうなんですね……じゃ、ハングアウトなら何もなしで行けるかも?」
「えーとどうやるんでしょう」
「(しまった最近ボイチャなんかしてないから忘れた……)えーとそもそもまずはGmailを起動するところからでしたっけ」「(振り返って)どなたかご存知ですー?」「うーんたしかそのはず」「ではお願いします」
(中略)
「ではこちらからコールしますねー」
「……」
「あれ、つながりません?」
「なんかポップアップが出て取れないです。こちらから呼んでみます」
「お願いします!」「お!かかってきました。もしもし?」 「もしもし。つながりましたねー」
「つながりました」
「……あっ。会場側に外部マイクとスピーカーがない!……このピンジャックつなぐといけるかな、もしもし?」
「……もしもし? 聞こえなくなりました」
「がーん。会場側のスピーカーへの線をつなぐとマイクが取れなくなる。どうしよ……まあいいや、PCのスピーカーにマイク当てて喋ってもらいます」
「了解ですー」

はっ。もう開場まで時間がない。事前打ち合わせしないと。

じゃー集まってください。うーん。最初に自己紹介して、お題について一巡一言ずつ喋っていただきます。お題なんでしたっけって? えーそれ今言いますかw これこれこうで……。
順番は場当たりで指定します。それを受けて一旦私がまとめて、適当に振るんで、それぞれ答えてください。
え? スライドがあったほうがいい? パネリストの名前とお題ぐらいは欲しい?
あ、じゃあそれは作ります。できたらFacebookチャットで共有します。
なにかご質問は? ない? じゃあ、あとでよろしくお願いします。

と、ホントにこんな感じでした。

逆にいえばこんな感じでもリモート参加ありパネルディスカッションってできるんだと思いましたが、健康に悪いので次回はもうちょっと準備したいと思いました。まる。

資料とかビデオとか

資料はイベントサイトに順次置いていきます。

動画も公開しています。

*1:前述の通り、私はこの時点で自分の発表のスライドできてなかったのでドキドキでした。

*2:それを決めるのはリハとかいうレベルではないだろうと思った方、私もそう思います。