印刷技術ってつまんない? それとも自分の伝え方が悪いだけ?
ついったで書いたことのまとめ。相変わらず togetter 使わないのはぼくがそういうの苦手なロートルだからです。
リアルで会った人に印刷って今これからこういう問題を解決しなきゃいけないと思っててすごい面白いと思うんだけど、っていうと、とても賛同は得られるんだけど、一方でそこら辺をがんばって書いたつもり(そこまで踏み込めてはいないかもだけど)のSD10月号はほとんど反響がないんだよな
データがクラウドにあって、端末は手元にあって、今そこに見えてるプリンターに最適な形で打ちたいっていう、想像力が貧弱なぼくですら思いつくシナリオすらいまちゃんとできてるケースは非常に少ないわけで、そういう問題意識すら共有できないのはぼくの表現力が足りないんだろうなあ
まあココらへんは安定の愚痴でございますが……。
ただ、「印刷そのものにニーズを感じない」という人はいるかもしれない。まあぼくなんかも、雑誌に記事書いてなかったら*1 印刷とかしないかもしれないし。
でもそれは通常のオフィス印刷の延長で考えているからで、紙独自の可搬性や電源がいらないこと、大きなアウトプットが (電子に比べると) 作りやすいこと、高い解像度を手軽に得られること、そういう可能性を生かしたシナリオが、コンテンツを保有してる側から出てこないのは、やっぱダメなんじゃないのかという気もします。
Google Cloud Printはそこら辺多少できているけど、じゃあ元データがA3のときに手元にはA4しかないぞなんとかせいとか、ポスターサイズの印刷を手元のプリンターでやりたいとか、そういう、コンテンツを最適に見せるための変換技術とか面白いとぼくは思うんだけどな
ここらへんは PWG の Cloud Working Group で Transform Service といわれて議論してるところです。印刷サービスがクラウドに持って行かれるなら、データ変換もクラウドでやればいいじゃないかという。でも PWG にはプリンターベンダーしかいないので、「あ、そういう議論なら俺もアイディアがある!」というコンテンツホルダーの意見を吸い上げられていないのではないかという思いをずっと持ってます。
で、そこらへんのコンテンツと見せ方の変換なんてのはいわゆるレスポンシブルWebなんかと多分共通点があって、プリンター屋なんてのはそんなこと知らないので、そういう変換サービスがクラウド上で挟まれるような仕組みを提供してオープンでやろうよってのがぼくの提案。するーされてるけど
「レスポンシブWebちゃう?」というツッコミは受け付けます。ちょっと恥ずかしい。
やっぱり印刷なんてウンコなレガシーでアンクールなテクノロジーでありそんなん知らんわアホ、っていうのがふつうの感覚なのかなあと思うと、ちょっとむなしくなる
ここもまた自虐っぽいですが、裏を返せば「そんなことないんだけどなあ、それを伝えきれないのはなにがいけないのかなあ」ということ。
前職にいたときに「自分たちが印刷について一番詳しいとか言うのは驕り。何をどう印刷したいかを知ってるのはエンドユーザーたちでありコンテンツホルダー。だからそこに印刷するという技術をどうオープンにするかが鍵」と一生懸命説いて回ってたけど、実はそんなこと、だれも関心がないのかも
前職云々はおいといて、プリンターベンダーが新しい印刷技術、印刷サービスが考えられるという可能性に対してぼくは非常に懐疑的で、かといってすでに成功している Google とかそういうサービスとコラボするってのも非常にアンクールだと思ってます。後追いでいいサービス作れるわけないじゃんか。
そんなわけで、いろんな面白いアイディアを持っている可能性があるベンチャーとかそういうところが「あそこと協業してなにかやりたい!標準化にコミットして印刷の新しい可能性を考えたい!」と思ってもらえないとダメだと私は思っていて、そのためにはなにができるんだろうねえ〜ということです。
こうやってブログ書いても、商業誌に書いても、ぜんぜん反響ないというのは、私のアプローチの仕方が悪いのでしょうか。それとも印刷そのものがつまらないのでしょうか。私は印刷がつまらないとは全く思わないので(オフィス印刷というものはどんどん縮小していくだろうけども)、きっと私のアプローチが悪いんだろうなあ。
「こういうやり方をしたほうがいいんじゃない?」という意見があったら教えてもらえるとうれしいなぁ〜。
*1:校正の赤入れは印刷じゃないとダメなんす。