LibreOfficeのメーリングリストへの投稿
この記事はLibreOffice Advent Calendar 2015の9日目でした。昨日はkomiyatatshさんの「「リブレオフィス(仮)」を導入してみたテンマツ」でした。
(注: この記事については事実誤認がありました。詳しくはこの記事の終わりを参照してください。)
LibreOfficeについてなにか質問や不具合を見つけたら、メーリングリスト(Mailing List、以下MLと略すこともあり)に投稿するのが、一番みんなに見てもらいやすい方法です……そんな文章を目にしたり耳にしたり、というご経験があるかたもいるかもしれません。
とはいえ、LibreOfficeのメーリングリスト事情はちょっと過渡期で、情報が不足しているところもあるので、ここでカンタンに紹介しましょう。
そもそもメーリングリストとは
「メーリングリスト」というのは、あるアドレスにメールを投稿すると、登録されたメールアドレスにそのメールが一斉に送信されてみんなで情報を共有できるしくみのことです(Wikipediaの説明)。
LibreOfficeの日本語コミュニティには一般に投稿できる二つのメーリングリスト:
- users@ja.libreoffice.org (一般ユーザー向け)
- discuss@ja.libreoffice.org (コミュニティについての議論向け)
があります。また、購読だけができ、限られた管理者だけが投稿できるリストとして:
- announce@ja.libreoffice.org (告知向け)
もあります。
これ以外にも世界中ではいろんなメーリングリストがありますが、その説明はまた、別の機会に……。
メーリングリストへの投稿は「Nabbleフォーラム」から
LibreOfficeの日本語ページである http://ja.libreoffice.org/ のトップバーにある「ヘルプ」(これは「役立つ情報」ぐらいのニュアンスなのですが、歴史的理由でこうなってます)に、昔はメーリングリストの情報がありました。
が、今は存在しません……。
代わりにあるのが「Nabbleフォーラム」というものです。ともあれ、これをクリックしてみましょう。
こんな感じの画面になると思います。
これはメーリングリストをWebフォーラムのようにみせるNabbleというソフトウェアで、先ほどのべた users メーリングリストを表示しているところです。
他人の記事を読んでみる
読むだけであればWebフォーラムのようにカンタンです。記事のタイトルがリンクになっていますから、
これをクリックしてみましょう。次のように記事が読めます。
Nabbleにアドレスを登録する
読むだけならよいのですが、新しく記事を書いたり、誰かの記事に返信したりといった場合には、メールアドレスを登録しなければなりません。Nabbleはあくまでも見せ方をWebフォーラム風にしているだけで、記事の投稿・返信といった機能は、実際にはメールのやりとりが発生するからです。
アドレスの登録には、さきほどのトップ画面から「Register」をクリックします。
するとこんな画面が表示されるので、必要事項を記入します。
項目 | 意味 |
---|---|
User Name | ユーザーの名前。アルファベットのほうが無難かも |
メールアドレス | |
Password | パスワード |
I have read ... | 使用条件に同意するかどうかをチェックボックスで示します。 |
で、ロボット避けのコードを入力してSubmitします。
すると、こんなメールが飛んでくるはずです。 もしメールが届かない場合は、SPAMに落ちていないかどうかチェックしてください。
黄色の部分のリンクをクリックして、メールアドレスを確認しましょう。
こんな画面に遷移して、メールアドレスの登録完了です。「Continue」を押すと、登録したメールアドレスでNabbleにログインした状態で、users メーリングリストのNabbleフォーラムに移動します。
users メーリングリストを購読して、新規にメールを投稿する……手前まで練習する
では次にusersメーリングリストに記事を投稿してみましょう。……といっても、実際に記事を投稿すると、購読者みんなに行ってしまうので、実際の投稿の直前で止めます。
と、その前に、usersメーリングリストに投稿するには、usersメーリングリストを購読しなければいけません。「あれ、さっきメールアドレス登録したじゃん」と思うかもですが、先ほどの登録はNabble全体への登録で、メーリングリストの購読はそれぞれのメーリングリストごとに行う必要があるのです。
なお、「メーリングリストの購読」というのは、上で述べたように「メーリングリストを使っての情報交換に参加する」という意味なので、メーリングリストに投稿されたメールを受け取りますよ、という意思表示になります。人の投稿を受け取る気はないけど自分の質問だけはポストしたい、ということはできないので、ご注意ください。
購読の手続きはカンタンで、まずは記事の投稿を意味する「New Topic」をクリックします。
すると、こんなポップアップが出てきます。
英語でいろいろと書いてありますが要は「このフォーラムは users@libreoffice.org のゲートウェイなわけで、users@... は投稿するには購読が必要なんだけども、Nabbleは自動的に購読処理をしないので、投稿するんだったらその前に購読してね。今購読する?」と聞いてきてるわけです。
そこで「Subscribe」ボタンを押してください。users+help@libreoffice.org からこんなメールが届くはずです。
このメールに空返信すると、今度はWelcomeメールが届くでしょう。ばんざい! usersメーリングリストを購読できました。
では、再度フォーラムに戻って「New Topic」を押下、さっきと同じポップアップが出ますが、「I'm a subscriber, let me post now」(私は購読者なので、投稿させてちょうだい)というボタンをクリックしましょう。
投稿画面が出てきました。
あとは普通のWebフォーラムのように投稿できます。プレビューもあるのでうまく活用してください。また、メーリングリストにはいくつかのエチケットがありますが、それはここでは深入りしないことにします。ひとつだけ上げれば、表題は適切に付けましょう……ぐらいでしょうか。
メールを使った投稿
なお、メーリングリストをご存知の方は、この状態であれば単に users@libreoffice.org にメールすれば投稿できるんじゃないか? と思われるかたもいると思います。はい、そのとおりです。別にNabbleを使う必要はありません。
ただ、Nabbleを使ったほうがいい場合が一つあって、Nabbleには画像の貼り付け機能があるんですね(さっきのスクリーンショットの「Insert Image」)。LibreOfficeのMLは、メール経由での投稿では添付ファイルを許可しない設定になっていますので、バグ報告などでスクリーンショットを貼りたいときにはNabbleを使うのがよいでしょう。
返信
Nabbleフォーラムで投稿を読んだときに、これに返信したい、と思ったときには、Reply ボタンを押しましょう。
そこから先は新規投稿とほとんど同じです。違いは、最初から表題が:
Re: <元投稿の表題>
となっていることです。便利ですね。
ほかのメーリングリストへの投稿
usersが分かってしまえばdiscussの投稿も同じなのですが、どうやってたどりつくかがわかりにくいです。
usersフォーラムの上のほうのパンくずリストから「Japanese」をクリックしましょう。
すると日本語メーリングリストの三つがリスト化されているので:
"Discuss" をクリックしましょう。
discussメーリングリストのフォーラムに遷移できました。
フォーラムをブックマーク
フォーラムの右上にある、先ほど利用した「Register」の並びの「permalink」をクリックすると、それぞれのフォーラムに直接飛べるリンクを取得できます。これをブックマークしておけば、メーリングリストへの投稿も楽ちんになります。
おわりに
今回はNabbleインタフェースを利用したメーリングリストへの投稿について紹介しました。実のところ、私もサイトの構造がNabble推しになっている(昔ながらのメールを使って登録するメーリングリストの紹介ページがトップから辿りつけない)ことをつい最近知ったので、ここ一度整理しておかなきゃなと思っていたところでした。
私は古い人間なのでメーリングリストはメールでやり取りするほうがラクだったりするのですが、それでも画像添付などNabbleならではの機能もありますし、賢く使い分けていきたいですね。あと、Nabbleには英語が大量に残っているので、どうやったら翻訳できるのか調べて、日本語化も進めていきたいと思います。
明日はnogajunさんの「LibreOfficeの文書とPDFに電子署名するよ」ですね。よろしくお願いします!
2015.12.13追記:メーリングリストのアドレスに、日本語メーリングリストであることを意味する「ja.」が抜けてましたので修正しました。
2015.12.31追記:
この記事は「LibreOfficeのWebサイトを参照すると、LibreOfficeプロジェクト的にはメーリングリストは非推奨でNabble推し」という視点の元に書かれております。その根拠として、http://ja.libreoffice.orgの「ヘルプ」のメニューに「メーリングリスト」のリンクが存在しないという理由を挙げていました。
ですが、英語版のサイトhttp://www.libreoffice.orgのメニューを見ると……あれ?
あるじゃない!
い、言い訳なんですけど、昔のある時期にない時代があったんですよ、たぶん。ちょっと前のどこかのOSCで、何かの質問に答えようとして、あれっと思った記憶がある。で、それに伴って日本語のメニューからも消え失せた。
なので、たぶんですけど、LibreOfficeプロジェクトとして、Nabble推奨という方向に一度は行ったというのはそうだと思うんですよ。
でも、やっぱMLの方がいいじゃん、いやNabble推してもいいけど、MLについてを隠さなくても良くない?みたいな議論でもあって復活したとか、そういう話じゃないのかなあ。想像ですが。勘違いでしたらすみません。
どっちにしても、今「ヘルプ」以下に「メーリングリスト」ってリンクがないのは不具合なので、それは対応をお願いすることにします。本エントリーを書く際に、英語版のサイトを確認しなかったのは申し訳ないです。ぺこり。
けどNabbleはスクショとか添付できて便利なこともあるので、もしよかったら使ってみてくださいね。ということで。