LibreOffice Conference 2018 Tirana 裏レポート
どうもこんにちは。今年もあっという間に12月になってしまいました。クリスマスまで、また新しい年まで、あとちょっとですね。
ということでこのエントリーは、LibreOffice Advent Calendar 2018の初日ということになります。ちょっと今年は(例年以上に)エントリーが少なくて寂しいですね。皆さん今からでもぜひご参加を。
表題のとおり、LibreOffice Conference 2018 Tiranaに行ってきました。カンファレンスレポートは日経xTECHさんに載せていただきました:
が、ここではレポートに書かなかった細々としたあれこれを。
2015年にも同じネタを書いたのですが、LibreOffice Conference(以下LibOCon、通称りぼこん)に限らず、海外のカンファレンス参加してみようかなーという人の参考になればいいなと思いまして*1。
お金とかそういう話
私にとってオープンソースの活動は完全に趣味でございまして(仕事に関係してることもなくはないけど)、お財布事情はやっぱりちょっと気になるところであります。
ありがたいことにLibreOfficeをホストするThe Document Foundation:
Home | The Document Foundation - The House of LibreOffice and Document Liberation Project
は、そのメンバーがカンファレンスに参加する場合その渡航費を援助してくれます。メンバー以外であっても、メンバー(例えば私とか)が推挙してかつトークが採択された場合もたぶん援助対象になると思います。大雑把に、開催都市への往復交通費(飛行機だけじゃなくて、たぶん請求すれば都市間の鉄道も)と滞在費は出ると思って大丈夫です。TDFを支えるAdvisory Boardと寄付をしてくれている皆様に感謝感謝。
とはいえ、一度立て替え払いして後日精算なので、旅費がかからないほうが都合がよいことはそうなのですが。
でまあ、旅費については大雑把にこんな感じ。
費目 | 費用(日本円) | 備考 |
---|---|---|
航空券 | 168,910円 | ターキッシュエアラインズ 成田 - Istanbul - Tirana |
滞在費 | 12,416円 | AirBnB 9月24日〜9月30日 |
合計 | 181,326円 |
航空券については、Tiranaはそんなに日本ではメジャーな都市じゃないので、やっぱりちょっと高いですね。
一方、宿泊は安いですね。6泊だから一泊あたり2000円。これはエアビーだからというわけじゃなくて、普通のホテルでもそんなに高くはないみたい。
LibOCon自体は参加費無料です。なおかつ、ランチと公式パーティの食事(ドリンク1杯つき)、HackNight(集まって話したり作業したりするイベント)の食事つき。なので、現地ではそんなにお金はつかいません。スポンサーさまさまです。
Tiranaは物価は安くて、現地通貨Lekはほぼレートが1円 ~= 1Lekなので数字に弱い私でも安心。ご飯が半額、お酒が2/3ぐらいかなーざっくり。15000Lekぐらい換えて中途半端に3000Lekぐらい余ってます……(なんか再両替するのも微妙な金額なので今でも財布に入ってる)。 現地はほぼニコニコ現金払いだったので、おみやげや空港から中心部までのバス代、観光で博物館入ったときのチケットなども含め12000円ぐらいしか使ってないということか。安上がりだ。
Lekへの両替はカードでキャッシングするのが簡単です。ATMは空港にもあるし、市街地でも銀行にはだいたい24時間のATMがありました。
ただ、噂によるとカード会社によってはアルバニアからのキャッシングを止めてることがあるみたいで(電話すれば解除してもらえるらしいですけど)。私は大丈夫でした。
空港や街に両替屋はあるんですがたぶん日本円からの両替は難しいのではないかな……? ユーロ持っていくと安心かも。
交通手段など
前述の通りTiranaはあんまり我が国ではメジャーではないらしく、日本からの選択肢はあんまりなくて、乗り継ぎ1回だとターキッシュ、アリタリア、ブリティッシュあたりで*2、お値段的にターキッシュにしました。週末を外したり乗り継ぎ回数増やしたり、あといちどトルコで出国したりするともっと安かったりするらしいのですけど、わたくしのばあい可処分有給休暇がですね……。
ターキッシュだと当然乗り継ぎはIstanbulで、空港のWi-Fiがたしか無料枠1週間で2時間までだったかな? あとサインアップのページの使い勝手が最悪で、めっちゃイライラしましたが、繋がってしまえばまあ安楽。
HISの銀座店で最初に見積もったときは14万ぐらいだったんですが、私のよくないくせ(旅行のチケットとか、なんか日程をばちっと決めてしまうものがなかなか確定できない)でとっとと手配しないうちに値段が上がってしまい、慌ててネットで調べて押さえたら、帰国日を間違えていた*3 あと、ANAのWebページでマイル後付しようと思ったらなぜか「搭乗者情報不一致」で跳ねられてしまったのはなぜだろう。まあ真剣にマイルためてるわけじゃないんで、別にいいんですが。
で、Tiranaの空港から市街まではバスが出てます。たしか200Lekとかで激安。1時間ぐらいかな。
Tirana市街はそんなに大きくもないし、そもそも鉄道はぜんぜん発達してないお国柄なので交通機関は全部徒歩でした。ドライバーも歩行者もちょっと強引な感じでクラクションブーブーなってるし、歩行者は信号赤でも横断歩道じゃないけっこう交通量があるところでも平気で渡ってるし、ちょっとおっかなかったですけど普通に信号守って歩道歩いてる分には大丈夫。あんまり財政的には豊かではないらしく歩道はタイルが剥げてたり穴が空いてたりしてましたので、よそ見しながら歩くのはよくないですね。
宿泊
前述のとおり、宿は今回もAirBnB(エアビー)でした。
エアビー病気したりしたときはリスクもあるし(たぶんサービスとして保証はあんまりなくて、ホストのご行為に頼るところは多々あると思う;チェコのときはホストが親切にしてくれた)、どうせ旅費出るので普通のホテル泊まってもいいと思うのですが、私わりとエアビーが好きでして。ホストとお話したりするのが楽しいんですよ。海外だといい具合に気が張ってるせいか朝はちゃんと起きられるし夜もしゃっきりしてるんで、LibOConのときはいつもエアビーです。
ただ、あんまり会場との位置関係を気にせず取ってしまったので、会場からも、夜ゴハンを食べに行ったりする繁華街からも微妙に遠くて、毎朝40分かけて歩いて会場入りし、やっぱり40分ぐらいかけてご飯食べに行き、帰りも20分ぐらい歩いてました。まあ、たまには歩くぐらいが健康にはよろしい。
日程とか
9月の後半の連休にかぶってたので4日休めばOKだったんですが(弊社は夏休みが7〜9月中に3日自由にもらえるので、+1日有給取ればよい)、航空券の手配間違えて10/1も休みになってしまったのは前述のとおり。まあでも、カンファレンスのあとほぼまる2日自由な時間があって観光できたのは結果的にはよかったですね。カンファレンスの前は発表の準備とかあって気持ちが落ち着かないので……。
日本発が9/23(日)で現地到着が9/24(月)朝、11時ぐらいに宿について(ホストに着いたよ!って言ったら、じゃあおいでよ、コーヒーでもどうぞというので甘えさせてもらった)、近くでランチ食べてから発表資料作成して、夜はもう入ってるメンバーと合流してご飯食べてと。
9/25(火)は「誰かランチ行く人いる?」「じゃ、行く行く!」って4人ぐらいで集まって、アルバニアの伝統料理を出してくれるレストラン:
に行って(私は手前に写ってるTavë dheuっていうの食べました。羊レバーとカッテージチーズ。これは割と気に入りました):
コミュニティデーで、参加登録すませて名札とカンファレンスバッグとTシャツもらって、
コミュニティについてのいろんなことを議論しました。この議論の内容については、前述のxTECHさんのレポートに書かなかったものもあるので、また別のエントリーで紹介しようと思います。この日の夜はウェルカムパーティで、色んな人と話せてよかったんだけど食べ物がぜんぜんないお店だったので途中で抜けて台湾勢と合流して晩御飯食べたりしました。ラムチョップが美味しかった。
カンファレンス本会は9/26(水)〜9/28(金)で、私の発表は27日。26日の夜がHackNightで27日の夜がカンファレンスディナー、28日は公式のイベントはなかったんだけど、それはみんな、飲みにいくよねってことで飲んだり食べたりして。毎日朝7時前に起きてシャワー浴びて朝ご飯食べて歩いて会場入りして英語の発表一日聞いて休み時間も英語でしゃべって夜の会場へも徒歩で移動して、日付が変わる頃に帰ってきて寝るという健康的なんだかなんだかよくわからない日々でした。
Tiranaという街とか観光とか
そういやTiranaという街について説明してませんでした。アドリア海沿いに位置する小国、アルバニアの首都です。
日本語でぐぐると「ヨーロッパ最後の秘境」とか書いてあるし、隣国はコソボなので紛争のときに小火器が数百万丁ほど行方不明になったよ(それを使った犯罪があったという報告はないけど)みたいなことを読まされて、ちょっぴりドキドキしたけど、ぜんぜん、いい街でしたよ。コンパクトで、街並みは綺麗で、気候はよくて。会期中はずっと晴天だったんですが、聞くと概ね気候はよいみたいです。地中海性気候ってやつすね。
オスマントルコ帝国の支配下にあった時代が長くて、イスラム教徒が一番多いんだったかな? ただ、イスラム教国っぽいあんまり厳格な感じはしなくて、街の中心の広場にも一番近いところにはモスクがありますが、ちょっと離れると教会もあるし、普通にビールも飲めるし :)。
9/29(土)の午前中はカンファレンススタッフがTiranaツアーを企画してくれたので参加しました。
これは雲をイメージした、日本人のSou Fujimotoさんという方がデザインしたオブジェなんだそうです。エアビーのホストさんいわく「でもおかしいよね、この国はいつもいい天気で、雲はあんまりないんだけど」だそうで。
その午後は国立歴史博物館に。
日本のような島国とはやっぱりちょっと違う複雑な歴史が感じられる見どころのある博物館でした。でも、一部やる気がつきたのか、解説文がアルバニア語しかなくて読めなかったのが残念。
翌日はエアビーのホストさんが観光案内するよ?って言ってくれたのでまた色々連れて行ってもらいました。写真は共産党政権下の核シェルターを改装して作った「BUNK'ART 2」という軍事・警察関係の博物館。これがもうねえ、洗脳キャンプとか秘密警察とか国境警備隊とかの胸が悪くなるような展示で、実に素晴らしかったです。オススメ(真顔)。人間はここまで非人間的になれるんだなあという。
まーそんなわけでTiranaいいところです。普通に観光してもいいところだと思う。私はいけなかったけど、アルバニアの他の都市もいいみたい。私もまた行きたいです。
ダラダラと長文になってしまいました。来年はスペインのAlmeriaだそうで、ここもとても美しい都市のようで今から楽しみ。みなさんもぜひ、LibOConに行きましょう。こういっちゃなんですがコミュニティのサイズは小さいしアジアからの声をみんな求めてるんで、トークが採択されるのは(=旅費補助を受けられるのは)そんなにハードルは高くないです。
では読んでくれてありがとうございました。Faleminderit(ふぁれみんでーり)!
明日は榎さんの「LibreOfficeを使う上で知っておくと便利なこと一覧」だそうです。楽しみですね。