OpenSolaris セミナー in 静岡 & OpenSolaris BootCamp in 静岡(合宿)
表題の二つのイベントに参加してきました。
イベントページはこちら。
http://wikis.sun.com/pages/viewpage.action?pageId=155812378
http://wikis.sun.com/pages/viewpage.action?pageId=166756470
静岡駅前の施設でセミナーを行い、その後興津にある健康ランド兼ビジホに移動し、懇親会をやって、夜体力が尽きるまで語り合うという聞くだにダメっぽいイベントでございます。
なんで静岡なの? ということについては:
- 幹事の瀧さんの拠点が静岡だから。
- いつも東京で勉強会しているけど、静岡なら中部方面からの参加者も見込めるから。
という理由だとお伺いしましたが、結論から言えば、新幹線乗って静岡行ったかいがありました。非常に楽しかったです。
ということで、まずは幹事の瀧@ジャストプレイヤーさん、原口さん、ありがとうございました。
肝心のイベントの方ですが、まずはセミナーの方から。
OpenSolaris の最近の発展と、その将来について by 大曽根 az OpenSolaris エバンジェリストさん
- OpenSolaris と Solaris の動向について手短にまとめていただいたプレゼン。
- Solaris 10 と OpenSolaris の関係について
- ZFS root だとルートパーティションが複数作れるから試しにアップデート適用して失敗したら捨てるとかできて超便利
- Image Packaging System (IPS) : OpenSolaris のパッケージングシステム
- Linux のパッケージングシステムと似ているけど、snapshot / rollback といった機能を ZFS で実現してるのがおいしい。
- IPS の OpenSolaris レポジトリ (主にユーザ用)
- Crossbow プロジェクト
- 今までの Solaris と OpenSolaris の関連
- Solaris は商用 Unix ということもあり大幅な進化に慎重だった
- でも OpenSolaris は大きな変化をどんどんとりいれている (ZFS、IPS、Crossbow)
- それが商用の Solaris に取り込まれていく
- つまり OpenSolaris ユーザの声が Solaris を作り、発展させていく時代となっている!
Q&A
- Q
- Oracle との合併に伴う影響は?
- A
- ……ノーコメント。
- Q
- OpenSolaris についてはやはり SUN という企業がついていることが非常に心強いが、サポートはどうなっているのか。
- A
- ぶっちゃけ日本の SUN による OpenSolaris のサポートについてはバグ報告を受け付けてくれる程度と覚悟してほしい。本国とやりとりするかコミュニティに聞いて欲しい。
- Q
- Sunray と Crossbow の関係は?
- A
- 今のところはない。そもそも Sunray は OpenSolaris をサポートしていない。
WEB 系システムに OpenSolaris を使うメリット by 瀧@ジャストプレイヤー (& OpenSolaris ユーザーグループ リーダー) さん
専門外なのでさらっと。
- たとえば Linux と同じような環境は IPS でサクサク作れるよ
- SMF (Service Management Facility) は超強力。サービスの依存関係解決や、自然死したサービスは自動的に起こし直してくれる*4
- Zone で各サービスを分離 (Web / App / DB)
- GlobalZone (つまり根っこで動いている OpenSolaris のシステム自身) は各 Zone を見られるので色々便利。
- 例えば改竄検知ソフト BART を GlobalZone で動かしておけばある Zone が rootkit 仕込まれたりしても GlobalZone は汚染されないから大丈夫、とか、
- lofs (Localhost File System) という仕組みで GlobalZone のファイルシステムの一部を Readonly で Zone に見せてやれば、ここは Zone の root すら rw に出来ない安全エリアになる
- Container = Zone + SRM
- 今までのお話を一まとめに扱うことが出来て超便利
- ということで WEB サーバなら openSolaris だね!
Q&A
……覚えてません (^^;)
Solaris ZFS 技術概要と機能活用 by 野崎 az OpenSolaris エバンジェリスト
資料が非常に充実してるので私が追記するようなことはありません。つかこの資料以上のことを知りたかったら、
- 作者: 長原宏治,佐藤通敏,今井悟志,加藤久慶
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/07/15
- メディア: 大型本
- 購入: 4人 クリック: 71回
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ちょっとだけありきたりのことを書くと、
- ZFS の目標は「ストレージをメモリの用に扱うファイルシステム」
- メモリ増設するときってただ差して電源 ON じゃん
- なんでハードディスクはあんなにめんどくさいの?
- そのためにいろんな機能が実現されてる
- 技術的なミソは Copy on Write
Q&A
- Q
- エンドユーザが ZFS を使うメリットは?
- A
- 思いつくままあげると、
- スナップショットは便利だと思う。
- ゾーンプロビジョニングはゾーンを活用する際には便利。
- OpenSolaris の Root は ZFS なので、パッチやデバイスドライバの導入に失敗して起動できなくなったときに元にもどすことが可能。
- Q
- 各 OS の ZFS の実装については?
- A
- そもそも前提として、SUN / OpenSolaris プロジェクトとしては他プロジェクトの ZFS の実装に付いてはいっさい関わっていないので詳細は不明。ただ、FreeBSD の実装はかなり Solaris の実装に近づいている。Linux の場合は ZFS のライセンスが GPL incompatible なので FUSE (Filesystem in Userspace) となっている。
OpenSolaris + ZFS で脅威のパワー:OpenStorage の紹介 by みやざきさとるさん
これも資料が非常によくまとまっているので概略のみ。
- ディスクアレイを組んだ外部ストレージ商品として、SUN が出してる OpenStorage というのがありますよ。
- こいつは中身は実は OpenSolaris で動くコントローラ+ディスクアレイなんですね。
- だから OpenSolaris のメリットを生かして非常にコストパフォーマンスが高い商品になっている
- プレゼンでは実際にパフォーマンス測定をした結果を示してくださいました。こういう数字になって見えるデータはいいですね。
- ちなみに「OpenStorage じゃない商品で同じぐらいのパフォーマンスを得ようと思ったらいくらぐらいですか?」と聞いたら「値段にして3〜5倍ですかね」とのこと。
- Q
- 今回はストレージを使用するサーバが5台ということだったが、実際何台ぐらいまでいけそうか。
- A
- その見積りは非常に難しいが、少なくとも言えることは CPU パワーはまだ余力がある。またメモリも CPU も最大構成ではないので、よりサーバが多い環境ならより高い構成にするのもよいだろう。また、今回は各サーバでベンチマークを動かすということをしているが、実運用で全サーバがピークに張り付くようなことはまずないと思うので、まだまだ余力はあると思う。
OpenSolaris で使うデスクトップアプリと開発ツール by 大野さん
基本的には Desktop OS としてもけっこういけてますよということで。
開発ツールも一通り揃ってますよと。
- Q
- デスクトップ OS として OpenSolaris を見たときに、印刷ってどうやっていますか?*6
- A
- PS や PCL のプリンタであればそのまま認識して使える。最悪、LX Zone (Linux を動かす Zone) を一個立てて、そこに Linux のプリンタドライバを入れてネットワークキューを見せて、そこにジョブを投げ込むという手段も使える。
OpenSolaris デモ by 原口さん
ここは淡々と見てただけなので省略。すんません。
セミナー解散、合宿会場へ
充実したセミナーの余韻を残しつつセミナー会場を出て、各人、車や電車に分乗し、合宿会場のクア・アンド・ホテル駿河 駿河健康ランドへ。
健康ランドといえばみんな変なハワイアンみたいなカッコして、大広間みたいなところでビール片手に鳥の唐揚げとかつまみにダラダラして、寝るのは仮眠室という、いかにもな雰囲気を想像してたら、ちゃんとしたビジホで超ビックリした。
まずは荷物をおいて一息いれたところで、懇親会へGO。
「居酒屋 もとよし」というお店です。
ここは超オススメ!
地元清水の地魚と地酒を味わいたければぜひ!
刺身、煮魚、焼き魚何食っても旨い! 日本酒も旨い!
しかもお腹いっぱい食べてしこたま飲んで一人 5500 円だったかな。決して高くない。興津に来たらぜひ。
あ、食べて飲んでばかりじゃなくて色々話もしましたけど、基本的にはやっぱりオイラが Solaris 初心者で、なおかつ Solaris な人というとエンプラな人が多いので、基本的にはみなさんの話をふんふんと聞いてることが多かった気がします。
それから風呂タイムを経て、22時から夜の部開始。
ちゃんと会議室を借り切っての企画です。すばらしい。
参加者一人一人の OpenSolaris についての困りごとを述べて、それについてワイワイ話し合うという企画。
オイラは最初「Ubuntu の上の VirtualBox 3.0 で OpenSolars 2009.06 の GDM が起動しなくなっちゃった」って話をしたのですが、いじってるウチに治っちゃったので、もっと職業的好奇心で「OpenSolaris というプロジェクトはどの程度 Desktop OS としての完成度に注力しているんだろう」という問いかけをしたんですが、さすがにこの場で答えろという方が無理ですな。
でもそれ以外に、ZFS は素晴らしいけどテープバックアップのソリューションがないとか*7 Windows ホストで VirtualBox ゲストで OpenSolaris を使うと非常に起動が重いときがあるけどなんで、みたいな問いで、ホスト OS が OpenSolaris なら DTrace 一発なのに、ってみんな一斉に頷いていて、そっかー DTrace ってそんなにすげーのか、勉強しなきゃな、と思ったとか、そういうのは面白かったです。
まあ最大の名言は M さんの「やっぱりパッションだよ」だと思われますが、あの場にいなかった人間はさっぱり面白さが分からないと思うので解説は避けます(^^;)。
名言が飛び出したところでお開き。1時ぐらいだったかな?
一部の人たちはそれから居酒屋に移動し4時まで語り合っていたそうです。元気だなー。
そして朝飯食べて解散。
起きてこなかった人もいましたが (^^;)。
お疲れ様でしたー。
とにかく、みなさんありがと!ということで。
来年もぜひ参加したいです。