なぜ私は openSUSE Weekly News の翻訳チームにいるのか
仮エントリや、仮エントリすら立ててない行事もあるのに、新たなエントリで与太話を書いてるヒマなんかないんだけど……。
えっと、ご存知の方はご存知だと思いますが、私は openSUSE Weekly News の日本語翻訳チームメンバーだったりします。
しかし本来私は Ubuntu ユーザーですし (今はメインマシンである ASUS EeePC S101 が壊れてしまったので使っていないですが)、このブログは Debian Squeeze で書いてますし、OpenSolaris も愛用しています。
一方で openSUSE は 11.3 Milestone 5 を入れたんですがマルチブートがうまくいかなくてほとんど触っておりません。
じゃあなんで openSUSE Weekly News (長いので以下 OWN と略) の翻訳チームなんかにいるのかって話を書いてみます。
きっかけ
たぶんきっかけは ylug のカーネル読書会に openSUSE の松本さんが来て話をしたときなんじゃないかと思うのです。
そのときに「OWN も、どれぐらい時間かかるかと思って試しに翻訳したら、いつのまにか『じゃあ、来週から頼むね』って言われてたんだけど、毎週だからとにかく大変で」って話をしてて。
私は長いこと OpenPrinting という標準化団体に所属してはいたけど、コミュニティという場には数か月前に顔を出したばかりだったし、そもそも *nix とかあんまり知らないし、英語も苦手だし、じゃあ、なんか勉強になりそうだし手伝ってみようかな、と思ってそういったのが最初だったんだと思う。
推察するに2008年11月あたりから始めたみたいですね。
我ながら、無謀というかバカというかしょうもないきっかけだと思うんだけどね。知らない奴ができない英語で翻訳プロジェクトに入って、却って迷惑になる可能性は考えなかったのかって。
うん、ぜんぜん考えませんでした。始めてみて使い物にならなかったらそういってくれるだろう、とは思ってたけど。
これはずっとあとでの議論になるんだけど、「プロジェクトへの貢献の敷居をいくらさげたところで、それで入ってきてくれた人は結局なにもしてくれない。それよりも、おもしろそうとかそういうポジティブな理由で入ってくれた人は長持ちする」って話があって。
まあそういう意味で、今でもだらだら続けているわけでございます。
動機
- 多分英語の勉強にはなるだろう。
- 多分 Linux の勉強にもなるだろう。
- カーネル読書会の前に今は Novell を辞めてしまった Joe 'Zonker' Brockmeier の Novell での講演があって、次の台詞に感じ入るところがあったから、自分がユーザでなくても手伝ってもいいなって思った。
openSUSE プロジェクトの目標は、ユーザの手元に最良の OS を届けることである。
openSUSE というディストリビューションはその手段にすぎない。
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- プロプライエタリであっても FLOSS であっても、多様な選択肢がありそれを自由に選べるということは必ず世の中をおもしろくするんじゃないかと思っているのです。
よかったこと
- なにせ知らないことが多いのでとても勉強になった。
- 実利はおいといて、知るは楽しみなりを地で行っております。
- アンテナを広く張ってなくても、比較的厳選された情報が入手できて、それをいろんな人にフィードバックできるようになった。
- 英語を読むのが格段に早くなった。
- 英語を読んで日本語で言い換えるのが割と苦にならなくなった。
- 翻訳で大事なのは英語力よりも日本語力、という言葉の意味をひしひしと感じられるようになった。
- あまり詳しくない KDE や SUSE の動向について知るチャンスが得られた。
- 生臭い話をすると仮にも商用 Linux シェア第2位の SLE の先行ディストリビューションについて知識を得ておくと、仕事の上でも役に立つ。
- 他の翻訳チームメンバーはプログラマではないので、プログラミングネタについては私の知識が役に立って少しうれしい。
微妙なこと
- 最近はだいぶ減ってきたけど、当初はとにかく品質がひどくて、私の訳文の原型を留めないほどに修正されていたので、かなり凹んだ。
- 凹んだ理由は自分の実力不足もそうだし、却って手間を増やしてるんじゃないか?と思ったりしたので。
- 英語の語彙力、特にイディオムの少なさを痛感。
- 一生懸命訳してるけど、これ誰か読んでるの? ってフィードバックが帰ってこないのが少し寂しい。
あんままとまってないけどまとめ
- とりあえず勢いで始めちゃったけど、楽しいから多分続けてくと思うし、それを受け止めてくれた主に松本さんに感謝。
- もっと他の翻訳プロジェクトに手を出したいぐらいだけど、能力の関係でできないのがちょっと悔しい。
- そんなわけで、あんまり難しく考えないでえいやっと手をあげることは大事だなぁと思った。
- 見ていると、他者を批判して「俺ならもっとうまくやる」って立派な理想を語ってなんかを始めようとした人って、だいたい途中でフェードアウトしてるなぁという気がしている。
- ことを翻訳プロジェクトに限ると、査読という制度がうまく機能しているかぎりは、悩んでやらないよりはやった方が価値がある気がする。
- 少なくとも OWN については新規メンバー大募集。